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   「宮本茂論 −宮本流ゲームデザイン研究−」
   http://www.n2gdl.net/bookshop/miyamoto/index.html

   底の見えないゲームを作る方法とは!?

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   8年目ゲームクリエイター・ムーブメント研究!

   ハ マ る 仕 掛 け を 作 る !

   第4回 「エスカレート・メソッド」

   2004/05/03(mon) release

   配信元:ゲーム開発能力向上委員会
   http://www.n2gdl.net

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 もくじ

1・ごあいさつ
2・エスカレート・メソッド
3・編集後記

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■1・ごあいさつ
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 新しく登録して頂いた方、はじめまして。
 ゲーム開発能力向上委員会、委員長の新田です。

 このメルマガはゲーム業界8年目の私が、

・これからゲーム業界に入ろうとしている人
・ゲーム業界に入ってまだ日が浅い人
・また「人をハマらせるもの」作りに興味のある皆さん

に向けて、情報発信することを目的として発行しています。

 また、ムーブメントつながりでビジネスモデル構築やマーケティング理論、
心理学、NLPなどにも非常に興味がありますので、これらの
「人をハマらせる」技術も、あわせて発信していきたいと思います。

 どうぞ宜しくお願いします!

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■2・エスカレート・メソッド
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 ここ近年、ミリオンに達するゲームは目減りしてきましたが、
どんなゲームを作ればミリオンに届くのだろう? と、よく考えるんですね。

 ものを作ったのに、なんの評価もないまま終わってしまうというのは、
非常に寂しいことです。

 少なからずなにか反応をくれよ! みたいに思っている人は大勢います。
 そして今市場に出回るゲームというのは、ほとんど評価のないまま
中古のガレージセールに出回ってしまう。

 だから「あーあ、あーあ」と言いながら仕事をする人がけっこういる
んじゃないでしょうか。
 「またどうせだめなんだ」とか言いながら。

 そこで思うのは、なんの目標もないまま作ってもだめなんだ、って
ことなんです。
 「どうすれば仕事で満たされるのか」それを考えて、それに向かう
ことが必要だと思うんです。

 ゲームを作る仕事に就いているのなら、それはやはりミリオンを売る
ゲームを作ることだと思うんですよ。

 ゲームを作る仕事についている人なら、誰もが目標にすることじゃ
ないでしょうか?


 ミリオンに達するゲームを作れば、会社は儲かってウハウハ、
社員は臨時ボーナスが出て、さらに給料が上がる、欲しかったツールも
買えて開発環境も整う、チームとしてステータスもつく、というように、
いいことづくめです。

 コンシューマゲームに限らず、同人ソフトであっても、ダウンロード
100万本、海外でも有名、みたいなむっちゃ売れるゲームを作ったなら、
それはもうそれだけで暮らしていけるし、またそのお金を資金にして、
作りたいゲームを作れるようになるわけです。

 そしてこれが社会に対して仕事をすることでの、非常に大きな報酬なんです。

 社会的に認められる、ということは、非常に大きな満足を生みます。

●戦うということ

 それで、ウンウン考えて思うのは、ミリオンに達するゲームというのは
ほとんどの場合「戦う」という概念が入っている、ということなんです。

 スーパーマリオはカメと戦いました。
 リンクはガノンと戦いました。
 メトロイドはメトロイドと戦いますね。
 バイオハザードはゾンビと戦っています。
 野球ゲームも、サッカーゲームも、戦うんです。
 RPGは結局戦う敵がいます。
 最近買ったピクミン2も、ピクミンは食べられながらも戦います。
 ロックスターゲームズのマンハントも買いました。
 このゲームも…ナタや銃の飛び出るすごい戦いをします。

 要するに、試合の形式でなくてもいいから、誰か相手がいて
戦う要素が、売れるゲームにはあるんですよ。

 まあ、これは「そんなの当たり前だ!」と思う人も大勢いるでしょう。
 ゲームという言葉はもともと試合から来てますから、試合があって
当たり前だ、と。

 ではなぜ戦うのか?
 なぜ戦うと、面白いのか?

●緊張感

 それは、人には「生き残りらなければならない」という本能があり、
それがとてつもない「緊張感」を生み出すからです。

 ゲームで主に感じる面白さは、この「緊張感」です。

 これはミリオンゲームを作る上での大きなコツだと思うのですが、
 緊張感が非常に長い間持続したり、瞬間的にある基準を超えて高まれば、
口コミを生んで、ミリオンになる可能性がある。

 緊張感は、声が出るほど大きな感情の昂ぶりを生み出します。

 サイトの特集でも書きましたが、感情を昂ぶらせることに成功すれば、
そのゲームは社会的成功にグッ! と近づきます。

 なにかと話題になったロックスターゲームズの「GTAIII」は全世界で
900万本売れたゲームですが、このゲームには端的に緊張感を生み出す
システムが盛り込まれています。

 このゲームでは、警官や民間人を攻撃して殺すと犯罪フラグが立ち、
画面右上の星(★)マークが点燈します。

 1つ星マークがついただけなら、隠れていれば自然と犯罪フラグは
消えるのですが、星マークが2つ以上点燈するともう星マークは消えません。

 こうなるともう無尽蔵に湧いてくる追っ手を殺すしか逃れる術は
ないわけで、自動的に星マークは増えることになり、カーチェイスと
市街地での銃撃戦はエスカレートするしかないようになっています。

 このエスカレートに一方通行なシステムが「発明」でしたね。

 エスカレート具合も、星3つでヘリが出現し、警察車両が突っ込んで
くるようになり、4になるとスワットの出動、5になるとFBIの登場、
6になると軍隊が出動し戦車が登場と、あり得ない激しさです。

 GTAIIIはほかにも見るべき点が数多くあり、そのトータルの完成度と
バイオレンス要素で世界的ヒットになりましたが、面白さの中心になったのは、
この「緊張感をエスカレートさせるしかけ」だったと思います。

 GTAIIIは社会的に問題のあるソフトとされましたが、純粋に
ゲームデザインの面から見れば、人の生き残ろうとする本能を非常に強く
刺激するしかけが盛り込まれた、隙のないゲームだと言えます。

 対立という状況はそれだけで緊張感を生み出します。
 戦いは、そのぶつかりです。

 対立のシチュエーション(状況)をいかに演出し、いかに緊張感を高めて
(エスカレートさせて)いくか。

 そのうまい流れを考えることで、ミリオンを狙えるゲームを考え出せる
のではないかと思っています。

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■3・編集後記
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 さてゴールデンウィーク真っ最中! ですが、その合間に
特別レポート「ゲーム仕様書の書き方−基礎編−」が脱稿しました。
 ゲーム仕様書の書き方が分からない! という方向けのインフォテキスト
です。
 私の経験を元に、仕様書の書き方の流れをまとめました。

 現在推敲中です。
 近日中に公開できると思いますので、興味のある方はもう少々
お待ちください。

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