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   8年目ゲームクリエイター・ムーブメント研究!

   ハ マ る 仕 掛 け を 作 る !

   第12回 「エモーショナル・プロデュース(2)」

   2004/06/28(mon) release

   配信元:ゲームのしくみ研究委員会
   http://www.n2gdl.net

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 もくじ

1・ごあいさつ
2・エモーショナル・プロデュース(2)
3・編集後記
4・気になる本

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■1・ごあいさつ
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 新しく登録して頂いた方、はじめまして。
 すでに購読していただいている方、おひさしぶりです。

 ゲームのしくみ研究委員会、委員長の新田です。

 このメルマガはゲーム業界8年目の私が、

・これからゲーム業界に入ろうとしている人
・ゲーム業界に入ってまだ日が浅い人
・人をハマらせるもの作りに興味のあるあなた

に向けて、情報発信することを目的として発行しています。

 また、ムーブメントつながりでビジネスモデル構築やマーケティング理論、
心理学、NLPなどにも非常に興味がありますので、これらの
「人をハマらせる」技術も、あわせて発信していきたいと思います。

 どうぞ宜しくお願いします!

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■2・エモーショナル・プロデュース(2)
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 このたびサイト名を「ゲームのしくみ研究委員会」に変更しました。

 世の中を動かすには、いろいろなことをやってみて、そのうち偶然に
うまくいくのを期待するやり方もあると思うんですが、
私はどちらかというと前例を調べ、ヒットしたものとしないものの
「違いをもたらす違い」を見つけて、それを適用してうまくいかせよう、
という方法を取ります。

 そこで注目するのが「しかけ」「しくみ」です。

 しかけは、意味的にはマス(大衆)に対してプロデュースするときに
使うもので、しくみはソフト的な、ゲームデザインを考えるときに
使うものだと思っています。

 当サイトはソフト的なムーブメントを起こすことを目的としているので、
「しくみ」に焦点を合わせることを前面に出して「ゲームのしくみ研究委員会」
にしました。

 ということで、これからもよろしくお願いします。

 さて今回は「エモーショナル・プロデュース(2)」です。


●世の中に対するしかけ

 しかけというのは、順序や構造、ルールのことです。

 分かりやすく「鳥を捕まえるしかけ」で説明します。

 鳥を捕まえるしかけに必要な道具は、大きめのザル、棒、ヒモ、
そしてエサです。

 棒にヒモをくくりつけ、その棒でザルを支え、ザルの下に
エサを置きます。

 エサを見つけてやってきた鳥がザルの下に来たら、
ヒモを引っ張ってザルの中に閉じ込めて捕まえる、というしかけですね。
(いまどきこんなしかけを使う人も珍しいですが(笑))

 プロデュースも、このしかけの構造を類推して考えます。
 まずは、道具を用意することから始まります。

 ゲーム業界の場合はゲームがエサですね。
 (エサという言葉にはちょっと語弊がありますが……)

 ザルや棒、ヒモはなんでしょうか?
 それらは、エサに近寄ってきた鳥を捕まえ、逃がさないための道具です。
 ユーザーの心を捉えて離さないための準備をする。

 そしてこのしかけには順序とルールがあります。

1つめは鳥がザルの下に来るまで待つ、というルール。
2つめ鳥がザルの下に来たらヒモを引っ張る、というルール。

 この2つは順序ですね。入れ替わるとしかけが機能しません。


 これら道具とルールの関係を総じて「構造」と呼びます。


 もちろん、この例は分かりやすくするためにかなり大雑把で、
実際プロデュースの構造はもっと複雑になるし、人が絡んでくるので
不確定要素が大きくなります。

 エサは魅力的なものにしなければいけないし、罠がちゃんと機能する
ようにチェックしないといけない。
 鳥が棒を倒してしまうかもしれないし、風でザルが吹き飛ばされるかも
しれない……。

 ヒモを引っ張るのを頼んだ人が、居眠りをするかもしれない。

 鳥が贅沢になって、エサに見向きもしなくなるかもしれない。

 隣のベンチでエサをばら撒くおばさんが出現するときもある(笑)。


 ほら、なんだか現在のゲーム業界に当てはまりませんか?


 しかけをうまく機能させて成功するには、全体への細やかな配慮と、
先を読んで対策を立てる「先見性」が必要になってくると思います。

 大勢のスタッフを引っ張って行く場合は、「こうすればうまくいく!」
というビジョンを提示しリーダーシップを取るという、意欲的で前向きな
人格的スキルも必要になってきます。


 日本はジブリを代表するような職人体質のエンタテインメントで
今までやってきましたが、徐々にそれが海外に遅れを取ってきているように
感じます。
 ゲームも、ちょっと前は北米市場のトップ10の8つは日本製でしたが、
今ではせいぜい「マリオ」や「メタルギア」の2つが入る程度。

 なぜハリウッドは常に話題を提供しつづけることができるのか?
 なぜアメリカのゲームはこれほど盛り返してきたのか?

 エンタテインメントの質的なものは、決してひけを取っていないはずなのに?

 これは、商品の品質の問題ではなく、明らかにプロデュースの際に
選択する「商品の内容」の問題なのではないかと思います。

 ひとくちに「これを出せばいい」とは言えませんが、戦略として
いくつか海外で成功しているフレームを挙げてみたいと思います。


●口コミ

 私個人、プロデュースの方法論としては、口コミマーケティングである、

・バイラル・マーケティング

 に注目しています。
 ここでは長く説明しませんが、興味のある人は調べてみてください。

 この方法論を採用している企業は長期的に見て

「クオリティが上がっているのに、コストが下がった」

という不思議な現象が起こっていますね。
 そこでライバル企業は「どうなってんだ!?」と焦るという。

 「マリオサンシャイン」のとき、任天堂が自社サイトでこの方法論を
展開していた覚えがあります。

 この方法論で使われている手法をゲームデザインに持っていき、
ソフトだけで口コミを伝播させることも可能だと思っています。


●長期戦略

 プロデューシングの中で、FFシリーズのようにクオリティの高いものを
大量の資本投下で短期間・高密度で作り上げ、ドーン! と巨大な花火を
打ち上げるがごとく瞬間的に儲けを得る戦略がありますが、私はこのような
開発体制をあまり好ましく思いません。

 徹夜など無理な労働で、開発者が疲弊することが多いからです。

 その分、給金や社会的評価などの見返りがあれば、まだ報われるので
しょうが、クリエイターの職人気質に頼っているのが現状で、評価も
なければ対価も十分でないと思います。

 この状況は大規模開発が当たり前になったころから見え始め、
苦労はするし報われないという、バッド・スパイラルになっているような
気がします。

 代わりになる戦略として、巷で言われている意見とは真逆になりますが、
長期に遊べる深みのあるゲームを設計し、コアなプレイヤーがファンとなって、
サイト上で宣伝塔になり口コミを生むような、継続的な利益を生むモデルを
提案します。

 最近のゲームは、かけたコスト+αだけしか回収せず、そのαで
なんとか食いつなぐものが多い(あとはスターウォーズで有名な
マーチャント戦略ですが、これも日本では効果期間が異様に短い)。

 この収益モデルは綱渡り以外のなにものでもないと思います。

 「少ないコストで大きな成果」。

 長期に遊べるゲームを戦略として用いることは、収益構造を改善し、
開発にもユーザーにも安定を与えると思います。

 これについては、任天堂の岩田社長も触れていたと思います。



 しかしまず前提として、成功するプロデュースをするにあたっては
ターゲッティング、マーケティング、パブリッシングなどの広い知識が
必要だし、人脈の多さ、情報収集能力、プレゼンなどで人を動機づける能力など、
やはり上に立つ人は人間的な能力や、抽象化能力に優れた「アタマ」が
必要だなと思います。


 さてこんなことを書いていると現場のプロデューサーの方々や
フリープロデューサーの友人Sさんあたりから

「さらっというけど、そんなに簡単じゃねえんだよ!」

と罵声が飛んできそうなので、このあたりにしておきます(笑)。

 門外漢が偉そうなこと書いてすみません(笑)。


 ただ思うのは、「やはり成功している人は本を読んで知識をつけている!」
ということです。

 私のまわりでも、しっかりした方法論を持っていると思う人は
本を沢山読んでいる人が多いです。
 日本人で読書を趣味にしている人は100人に1人くらいと聞きます。

 人の思考の幅は、脳が蓄積している語彙の量以上は広がりません。

 何事もそうだと思いますが、やはり習熟に勉強は欠かせないですね。

(了)

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■3・編集後記
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 ああ、これ書いてたらまた朝になってしまった……。
 早く寝ようと思っているんですが(笑)。

 ところで「こんなことを題材に書いてほしい」というリクエストが
ありましたら、以下までお願いします。

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info@n2gdl.net

 ではまた次回!!

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■4・気になる本
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 「私は学習障害だった!」

 けっこう前になりますが、トム・クルーズのこの告白は衝撃的でしたね。

 彼は、本を読もうとしてもその内容がまったく頭に入ってこないという
学習障害を持っていました。

 それが今やハリウッド随一の俳優!
 どうやって学習障害を克服したのでしょうか?

 その秘密は、今回紹介する「学び方がわかる本」にあります。
 この本は、トム・クルーズが来日したとき、小泉首相に
「日本のすべての学校に教材として採用してほしい」と贈ったことで有名です。


 実際私も買いましたが「これが原因で『わからない』という状態が生まれた
のか!」と非常にショックを受けました。

 いや、単純なことなんです。

 でも、これを読めば、勉強は「自分を高める素晴らしいもの」という
意識が生まれて、本を読むのがすごく楽しくなります。

 難しい本を読んでも「わからない」ということがなくなると思います。

 これを読んでから勉強しないと大きな無駄が発生する!!
 それだけお奨めの本ですよ!
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