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   8年目ゲームクリエイター・ムーブメント研究!

   ハ マ る 仕 掛 け を 作 る !

   第16回 「アバウト・オンラインゲーム(4)」

   2004/07/26(mon) release

   配信元:ゲームのしくみ研究委員会
   http://www.n2gdl.net

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 もくじ

1・ごあいさつ
2・アバウト・オンラインゲーム(4)
3・編集後記
4・おすすめの本

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■1・ごあいさつ
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 新しく登録して頂いた方、はじめまして。
 すでに購読していただいている方、おひさしぶりです。

 ゲームのしくみ研究委員会、委員長の新田です。

 このメルマガはゲーム業界8年目の私が、

・これからゲーム業界に入ろうとしている人
・ゲーム業界に入ってまだ日が浅い人
・人をハマらせるもの作りに興味のあるあなた

に向けて、情報発信することを目的として発行しています。

 また、ムーブメントつながりでビジネスモデル構築やマーケティング理論、
心理学、NLPなどにも非常に興味がありますので、これらの
「人をハマらせる」技術も、あわせて発信していきたいと思います。

 どうぞ宜しくお願いします!

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■2・アバウト・オンラインゲーム(4)
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●衰退するゲーム

 現在、ゲームソフトは徐々にその総出荷本数を下げてきており、
ゲームコンテンツの内実は、コンシューママシンより携帯ゲームの
比率が高くなっていると聞きます。

 PS2が最も広く買われているはずなのに、PS2の1台におけるソフト購入
比率は0.85本。ハードは買われているのに、ソフトは1本持ってるか持ってないか
の人がかなりいるということです。

 かくゆう私も、ゲームはPC洋ゲーくらいしかプレイしなくなって、
インターネットの巡回、携帯でメール、それからDVDを見る、これくらいで
一日の娯楽は済んでしまっています。

 ほかになにをやっているかというと、ゲームのしくみの原稿書きなど
(このメルマガとかです)、そういうことに費やしてるわけですね。
 娯楽以外の活動です。

 とにかく娯楽の選択肢が増えた。特にインターネットと携帯の出現で、
ニッチ時間は食われまくりです。
 インターネットはタダだし、携帯はダイレクトなコミュニケーションが楽しい。
会話による自己表現は人間の本能をダイレクトに刺激します。

 ゲームは開発費の高騰でペイラインゲットを慎重になったために、重厚長大で
複雑なゲームが多くなり、ライトユーザーが入りづらくなったという理由も
業界縮小の理由として挙げられます。

 ほかにも、団塊世代が年齢的に活動期に入ってゲームをしなくなった、
少子化で子供のゲーム需要が減ったなどといろいろ理由はありますが、やはり
大きな理由は、

「他に面白い娯楽が出てきた」

これが縮小の第一原因でしょう。

 ゲームは今比較される娯楽がいろいろあり、それに楽しさが負けています。
 インターネットと携帯に食われています。

 ニッチの侵食をゲームで防ぐことはほぼ不可能に思える。

 であれば、どうすればいいのか?
 他の娯楽を追撃するか、それとも共存して取り込んで(取り込まれて)ゆくか。

 今回はネットゲームの話ですがゲームの生き残り戦略ともちょっと絡みます。


●コミュニケーションの本質

 ゲームはどうすれば生き残るのか。
 ゲームによるムーブメントはもう起こらないのか?

 ビジネス的にはゲームに執着する理由はありませんが、今回は私個人が
ゲームに愛着があるというそれだけの理由で、ゲームにこだわってみましょう。

 ゲームのどこがインターネットや携帯に負けているのか?

 それは、コミュニケーションの楽しさがひとり遊びよりも強いところだと思います。

 人間は、人と人との間の存在です。
 「人の間」と書いて、人間。
 アイデンティティ(自分が自分であるという認識)は他人がいるから成立します。

 マズローの5段階欲求説によると人間の欲求は、


(低次)
1・生理的欲求
2・安全の欲求
3・親和の欲求
4・自我の欲求
5・自己実現の欲求
(高次)


の5段階に分かれますが、現実において、意見交換、議論、会話、競争、仕事で
成果を出すことなどは、自分の存在を発露させる行為であり、親和の欲求以降の、
人間のメタ(高次)な欲求を満たすことに繋がります。

 生理的欲求や安全の欲求が常に満たされる文化レベルに私たちは既にいますから、
それより上の欲求を満たすように人々は動きます。


 ゲームはもともと、人と人の間を結びつけるものでした。

 トランプやボードゲーム、野球の試合観戦など、共通の話題が作り出されれば、
それをきっかけに人間関係が築かれていく。

 ゲームは「人間関係の媒介物」だったわけです。

 ひとり遊び用のゲームマシンが話題になり、その話で街じゅうが持ちきりに
なって、ゲームは「新しい話題の媒介物」として人々の間でムーブメントになり
拡散していった。
 感動するストーリーの共有、対戦ゲームでのくやしさや喜びの共有、
世界観の共有、体験の共有。

 そういった、感覚を「共有」することの喜び。

 この「共有」が大いに人々のメタな欲求を満たしました。

 同じ「感情」を「共有」することに、人々は大きな喜びを見出すのです。


●ゲームの回帰

 より感情を共有できるメディアが、ゲーム以外に現れた。

 画一的になって話題性も落ち、重厚長大が原因で話を「共有できない」ゲームは、
ニッチにスルッと入り込めて、なおかつお手軽で持続性のある「感情共有ツール」に
当然のように負けていきます。

 しかしここにきてゲームは、ネットゲームという形で、コミュニケーションに
回帰しようとしています。

 複数人数遊びから、ひとり遊びへ。
 そして複数人数遊びへの回帰。

 ゲームは再度、人を繋げる段階にやってきた。


 これから、無線接続でどこでもお手軽にネットゲームができるようになったら?

 場所を移動するたびに、新しい対戦相手がいたら?

 携帯マシンでマージャンの対戦相手がいつでもどこでもつかまえられたら?

 どこでもゲームコミュニティにアクセスできるようになったら?

 アクセスすること自体がゲームになったら?


 ゲーム+コミュニケーションは、まだまだ開拓されていない分野です。
 そしてここには大きな可能性が秘められています。
 ユピキタス技術とも合わさっていき、大きな変化が生まれると予想しています。

 インフラさえ整ってくれば、「人間関係の媒介物」だったころのように、
ゲームはコミュニケーションありきになっていくでしょう。

 アメリカではすでに「paypal」や「clickbank」など、課金や決済のインフラが
整っています。これが日本に持ち込まれるのも時間の問題です。

 そしてそこからが、ネットゲームの本領発揮だと思います。

(了)

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■3・編集後記
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 ネットゲームで「理想の国家」シミュレーションができないかなーと
思ったりします。

 要するに今地球には「資本主義」と「共産主義」とか、まあそれぞれ国に
よって内実の程度に差がありますが、主義体制が存在しますよね。

 で、資本主義の構造的な問題である搾取の発生や、人々の自己表現欲求を
満たせるような、「新しい主義体制」をネットゲーム上でシミュレーション
できないかなと思うんです。
 理論より実践という意味で。

 ゲーム上でならシステムを書き換えるだけで何度もテストできるし、
参加している人からフィードバックもできる。
 理想的な「テストマーケティング環境」だと思うんですよ。

 まあ誰がスポンサーになるんだって話になりますが…(笑)。
 国でしょうか、やっぱり。
 うまくいったらリアルで部分的に採用みたいなね。

 年金制度とか、テストしてから試行とか、いいんじゃないかと思うん
ですけどね。

 ということで次回!

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■4・おすすめの本
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「こんないい本に出会えて、
なんて幸運なんだろうとつくづく思っています。

時間に対する考え方が根本から変わりました。
時間について、今まで断片的にしか分かっていなかったことが、
全部すっきりつながって、しかも更に肉付けがされた感じでした。
それがこの本の画期的、かつ、価値のあるところだと思います。」

アマゾンのレビュアーより

 今回はゲームとはあまり関係ないですが、ゲーム作りには必要不可欠な
時間管理に関する本です。
 といっても、マネジメントというよりはもっとこころに安らぎを持つための
時間管理の本ですね。

 時間管理がうまくいかないために残業ばかりになってしまってたり、
自分の時間がうまく取れないという人にはぜひ一読して欲しいです。
 生活のコントロールの足しになると思います。

TQ 心のやすらぎを発見する時間管理の探求

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4906638058/n2labo-22

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