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 ハマるしかけを作る! 8年目ゲームクリエイター・ムーブメント研究!
 第49回 「コスティキャンのゲーム論・解説(4)」 2005/03/21(mon)
△▲──────────────────── http://www.n2gdl.net/▲△

 ゲームのしくみの新田です。

 新しいレポートコンテンツなんですが、別ドメインをとってページを作ろう
と思っています。
 というのもかなり大きなテーマなんですよ。


 これはゲーム開発者なら誰でも「おれも!」と思うテーマなので、ゲームの
しくみの1コンテンツじゃなくして、大きく育てていきたいと思っています。


 で、それはなにかって?


 まだ秘密です(笑)。

 完成度は今…40%くらいです。

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■コスティキャンのゲーム論・解説(4)
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●「ゲーム」は、ストーリーではない

 この定義は、私も昔、


「断じてゲームはストーリーじゃねえ! ゲームで面白いのはそこじゃねー!」


みたいな思いを抱いていたことがあるので、非常に懐かしいですね。



 コスティキャンも言っていますが、ゲームは映画や小説から題材をよく借り
てくるし、映画的なプロットでゲームが進行していくものが多いです。
(というかRPGはほとんどそうですね)



 ドラマティックなシーンをゲームで実現するには、映画や小説からの蓄積を
持ってくるこの手法が一番楽で確実なんですね。


 もちろん私はそれを否定するつもりはありません。

 コスティキャンも、ゲームはストーリーを語ることはない! とは言います
が、否定はしていません。



 昔は原理主義的に「ゲームはゲームじゃなきゃだめなんだ!」と思い、ゲー
ムはストーリーの付加されたゲームが多く出回ることによって、誰も根本から
システムアイデアを考えなくなり、ゲームの面白さの切磋琢磨がなくなった!
などと思っていました。


 その考えは「Game Design Tips48」をはじめ、ほかのコンテンツにも色濃く
現われていたりします。


▼Game Design Tips48
http://www.n2gdl.net/bookshop/gametips48/gametips48.htm

▼宮本茂論
http://www.n2gdl.net/bookshop/miyamoto/index.html


 ゲームの面白さの切磋琢磨がなくなった。
 実際、そうだと思いはしますが、それも「折り込み済みで」ゲームを考える
のがプロだ、と思うようになりました。


 誰もやらないなら、自分だけができます。

(誰も考えずジャンルの上にただ乗ったものばかりができるなら、そのヒット
チャンスは侵食されずに済むというもの)


 根っこのシステムを作るというのは、ジャンルを作るということ。

 ジャンル(シーズ)を作る、なんてのは、恐ろしくて誰もチャレンジしない
部分なのかもしれません。


 そういえば先日のGDCで、ウィル・ライト氏も


「ストーリーよりプレーヤーの体験を重視すべき」


などとゲーム観を語っています。

▼Game Developers Conference 2005現地レポート
ウィル・ライト氏が未来構想を語る「The Future of Content」
ライト氏のライフワーク「SPORE」で実演したプロシージャルな世界
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20050313/gdc_will.htm



 これも要するに、ゲーム原理主義的な考え方ですね。

(それにしてもウィル・ライト氏は子供のころに考えるような壮大なゲームを
現実にしようとするとは…凄すぎです)


 確かにゲームの特質とは、「誰かの体験をなぞる」ことではなく、「自分が
経験する」ことにあります。


 そこには映画や小説にはない、ゲーム独自の強烈で危ない「経験」があるわ
けで、まだまだ掘り下げられていない部分なんですよね。


 根本的なシステムアイデアをもっと試行錯誤すれば、ゲームの面白さの地平
はまだまだ広がっていることが明らかになる…などと個人的には思っています。
(最後は「マトリックス」なんですが(笑))


 話がそれましたね。


 で、コスティキャンは、


「ストーリーは、もともと直線的なものである」


と言い、そして直線的であるが故に、計算されたイベント配置ができる強みが
あると言います。

 これはわかりやすいですよね?


 そして、


「これに対して、ゲームはそもそも直線的ではない」


と言います。

 要するに、ゲームとはどうなるかわからないところで下す合理的な「意思決定」
が面白いのであって、それがストーリーのように正解を強制的に選ばされるな
ら、それはゲームではない、というわけです。


 目的に対して、AとB、どちらの選択も間違いではない。

 山登りで言えば、どのコースを通っても頂上につけばいい。


 ただコースは切り立った崖もあれば、くねくねと時間だけがかかる道もある。


 その選択が個人よって自由だからこそ、面白い。

 いったん頂上に登ったなら、より難度の高い崖に「チャレンジ」することが
できる。


 それは、より高い達成感を感じることができる、という判断からすれば、し
ごく合理的なわけです。


 ゲームは経験をデザインする。


 瞬間瞬間の選択によって、刻々と様々な状況が生まれるダイナミズム(力強
さ)。

(これは私たちが生きている世界では当たり前のことであって、その「経験」
を計算することが、ゲームデザイナーの役割の1つである! と思います)


 それがゲームの本来的な面白さである! と言いたい。



    →「ストーリー」は直線的である。「ゲーム」はそうではない。

(続く)

コスティキャンのゲーム論はこちら。
http://www.n2gdl.net/topics/topic004/main.html


「なるほど」「よかった」の一言でもかまわないので、メルマガの感想文を書
いて送ってください。
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ぜひあなたの声を聞かせてください!

 ↓ここからどうぞ↓
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■編集後記
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 まあ、そうは言っても、シナリオを書くことに最近はすごく興味があるんで
すよ。

 本棚にはハリウッド関係のシナリオ本がたくさん並んでいますし(笑)。


 というのも、人は本質的に「物語」「体験談」を欲しているんです。



 「おおおおっ! それで? それで? それでどうなったの!?」



 というわくわくが欲しいんですよね。

 それに、文章を書くこと全般に、シナリオ構成力が役立ちます。
(このメルマガでも役立ってます)


 ただ「それは人の人生だ。自分の人生じゃない!」ということに納得できな
い人が、自分の物語を作り出そうと、自分の経験を自分で計算しだす。


 こういう意味でいうとゲームデザイナーって、「人生デザイナー」の素質が
あるのかもしれません。
(意味わかんないし(笑))


 えっと、おすすめのハリウッドシナリオ本!!(ごまかし(笑))


 シナリオ本ってけっこう需要ありますよね?

 ということで、1つ紹介します。


 これは絶対買いです。レビュー見てください。

http://www.n2gdl.net/link/hollywood.html

(あーまたソースを公開しちゃった)



 それから、みなさん感想の声ありがとうございます!

 どしどし頂いて嬉しい悲鳴をあげています。

 励みになってます!


 リクエストとして、


「ゲームの音楽に関するノウハウも」

「キャラデザに関するノウハウも」

「チームのまとめかたに関するノウハウも」


というのが来てますね。

 私は基本的にプログラマ&プランナーなので、管轄外なのはあまり期待しな
いでくださいね(笑)。

 ただ、できる範囲で頑張ります!
(一応知り合いのコンポーザー等に「書かない?」と振ってたりします)


 あまりに多いので最近の方だけ…。


TToru さん、TANAKA Uさん、ナット さん、縁 さん、オオタニさん、
Okayan さん、kojiro さん、匿名希望 さん、toku さん、rea さん、
dody さん、アラキさん、趙狗庵 さん、DORA さん、kuon さん、タマキ さん、
江川 さん、Meke さん、シゲル さん、kuon さん、ジービー さん、


そのほかこれを読んでくれているみなさん、購入&メッセージありがとうござ
います!


 ということでまた次回!

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■ゲームのしくみ セットパッケージ情報
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 デベロッパーズセットを購入したシゲルさんより。

>印象に残ったのはズバリ全てです。どれもクオリティーが高く最高でした。


 現役のゲーム開発会社やゲーム専門学校にも買って頂いております!


 本屋には置いていない、サイトでだけ売っている情報です。
 「高密度の気づきがある!」と好評です。

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●ゲームデザイナーズセット
・Gamedesign tips48
・宮本茂論

●プランナーズセット
・Gamedesign tips48
・宮本茂論
・ゲーム仕様書の書き方−基礎編−
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・Gamedesign tips48
・宮本茂論
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・ゲーム企画書の書き方−基礎編−
・プログラムの達人1〜3セット

 興味のある方は、以下のURLよりどうぞ。

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それぞれ単品でも購入できます。
詳しくはサイトにて。

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■あなたがこのメルマガを読む理由をはっきりさせれば…
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 「あなたはいったいなにを望んでこのメルマガを読んでいるのか!?」

 …ストレートですか?(笑)


 例えば、なにか悩みがあるとか、不安があるとか、知りたいことがあるとか。

 もし、あなたの中でそういうことがはっきり明確なら、

 タイトルを「これを知りたい」にして、

 http://www.n2gdl.net/reviewform/reviewform.html

 までお送りください!

 そうすれば、メルマガの内容はその方向に「アフォード」されていきます。

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 ゲーム開発で役に立つ本を紹介しています。
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http://www.n2gdl.net/topics/topic003/index.html

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心理学、NLPなどにも非常に興味がありますので、これらの「人をハマらせ
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 どうぞ宜しくお願いします!


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