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 ハマるしかけを作る! 8年目ゲームクリエイター・ムーブメント研究!
 第66回 「コスティキャンのゲーム論・解説(21)」 2005/07/25(mon)
△▲──────────────────── http://www.n2gdl.net/▲△

 ゲームのしくみの新田です。


 お知らせです。

 2005年8月1日に、「ゲーム解体新書1・2」の価格改定をします。

 特別価格で提供していた1,000円から、1,500円に改定されます。

 著者の原田さんから。
 早期購入者を必ず一番に優遇する方針でいくということです。


 ゲームを作る上で守るべきこと、してはいけないこと。

 教科書的内容のこの2つのレポート、欲しい方は価格改定前にどうぞ!

▼ゲーム解体新書
http://www.n2gdl.net/bookshop/kaitai/index.html

▼ゲーム解体新書2
http://www.n2gdl.net/bookshop/kaitai2/index.html

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■コスティキャンのゲーム論・解説(21)
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●全てのゲームはダイスの下で兄弟である

「・・・あるいは明けの明星の下で、またはともかく何かの下で」


 長かった「コスティキャンのゲーム論・解説」の連載も、今回で終了です。
(5ヶ月ほど連載していましたね)

 今回は締めです。

 「ゲームの定義」と「良いゲーム・悪いゲームの見分け方」、コスティキャ
ンはこれに答えます。


>さて、ようやく最初に提出した質問に答える準備が出来た。

>質問:無数の種類があるゲーム全てに共通する要素があるのだろうか?

>回答:確かにある。全てのゲームは「意志決定」「資源管理」「目標」を持っ
>   ている。これは「チェス」「セブンス・ゲスト」「スーパーマリオ」
>   「バンパイア:ザ・マスカレード」「マジック:ザ・ギャザリング」
>   「ルーレット」の全てに共通する。これこそが「ゲーム」の定義なのだ。



 「意志決定」「資源管理」「目標」。


 コスティキャンはすべてのゲームがこれらの要素を持っている、と言います。


 ただ、この定義は時流によって変わるものと見たほうがいいでしょう。


 コスティキャンも意志決定のないゲーム「キャンディランド」を挙げていま
すし、日本でも目標のないゲーム(たとえば「アクアノートの休日」等)が出
たりしています。


 MMORPGなども最終的な目標はなく、エンドレスですね。


 ただ私が思うには、「正当派なゲーム」、つまりゲームらしいゲームには、
この要素が不可欠だと思います。


 また、メガヒットしたゲームという視点から見れば、すべてのゲームにはこ
れらの要素が入ってます。
(もちろんコスティキャンのゲーム論はヒットゲームからの視点ではないので、
ヒットゲームには別の共通項があります)


 注目すべき基本要素だと言えるでしょう。



>質問:「良いゲーム」と「悪いゲーム」をどうやって見分ければいいのか?

>回答:残念ながら、まだ最終的な答えは出ていない。しかしながら、ゲームの
>   魅力を分析するときに役立ちそうな基本概念はいくつか見つかった。
>   「チェス」の魅力は、複雑で困難な「意志決定」にある。

>   「マジック:ザ・ギャザリング」の魅力は、果てしなく多彩な展開に求
>   めることが出来る。

>   「ルーレット」は、強烈な「目標」を持っている。(つまり、現金だ)
>   もっと詳細な分析が可能なことは疑うべくもない。だが、それは読者の
>   ために残しておこう。


 注目!

 良いゲーム、ハマるゲームとは? そしてヒットするゲームとは?



 「『チェス』の魅力は複雑で困難な『意志決定』」。

 「『マジック:ザ・ギャザリング』の魅力は、果てしなく多彩な展開」

 「『ルーレット』は、強烈な『目標』を持っている。つまり現金だ」



 確かにそうです。
 この3行には、宝の山が隠れています!


 ここから掘り下げて考えていくと、いろいろ興味深いことがわかってきますよ。
 「どうやって多彩な展開を作り出しているのか?」など、考えてみてください。


 私がゲーム研究を始めたのは、こうした「良いゲーム」を作るための基本概念
に焦点を絞り理解すれば、あとはそこからいくらでもヒットのバリエーションが
作れるのではないか? と考えたからです。


 そしてその考えを昇華させたのが、「セコンド・メソッド」であり、「エモー
ショナル・ゲームデザイン」だったりします。

(エモーショナル・ゲームデザイン関係は現在2つ公開されています)
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/index.html



 そして最後に…コスティキャンは、この「ゲーム論」は中間報告であり、「ゲー
ムデザイン技法の分析理論」といったタイトルでまとめられるべき包括的なな体
系を構築する最初の試みだと言います。


 賛成・反対、他の分析手法、そうした意見は、どんどん取り上げられるべきだ
し、意見を交し合って欲しいとコスティキャンは言います。


 私はこの提言に対して微力ながら答えたつもりですが、これを読んでいるあな
たも、ぜひあなたのサイトや、掲示板の書き込み、それからゲームのしくみへの
メールに、あなたの意見を挙げて欲しいと思います。


 最後の最後に、コスティキャンはゲームと、ゲームデザインという仕事への愛
を表明します。



「もし、ゲームデザイナーが「芸術」と呼ばれるに値する仕事をしたいのであ
れば、ともあれ商業的な成功を超えた高みに目標を置くにはどうすればよいか
考え始めなければならない。

 なぜなら、ゲームデザイナーという仕事は、民主的な「観客参加型の芸術の
創造」を目指す、芸術改革運動の担い手となりうるからだ。

 もし、この運動が成功すれば、ゲームデザイナーは人類の文明をさらに高め
ることが出来るだろう。失敗すれば、このTV時代に、知性の欠落したさえな
い娯楽がまた1つ生まれたというだけで終わるに違いない」



 あなたもぜひ、映画や小説のように、単なる娯楽ではない、芸術の域まで達
したメディアに「ゲーム」を高める運動に加わってください!


(以下謝辞として、コスティキャンのゲーム論に関わった方の紹介です)

−−−−−−−−−−−−−−−−
著者紹介
 グレッグ・コスティキャン。1960年ごろ生まれ。

 職業ゲームデザイナー。1976年にSPI から出たNorth Africa Quad のうちの一つ
のデザインを担当してデビュー。1975〜1982までSPI で働き、1985〜1987にかけて
WEST END GAMESのR&Dチーフを務める。現在までに23個のゲームをデザイン/
出版し、それ以上のゲームのデベロップを担当。Origins 賞を5回受賞。



主な作品
   パックス・ブリタニカ, Pax Britannica (VG), Origins 受賞
   ウェブ・アンド・スターシップ, Web and Starship (WEG),  Origins 受賞
   怪獣征服, The Creature that ate Sheboygun (SPI), Origins 受賞
   魔法の大陸, Barbarian Kings (SPI)
   死の迷宮, Death Maze (SPI)

   スターウォーズRPG、Star Wars RPG (WEG), Origins 受賞
   パラノイア、PARANOIA (WEG), Origins 受賞
   トゥーン、Toon (SJG)

   上記の他、Air War (SPI), Imperium Romanum (WEG), Killer Angels (WEG)
   等のデベロップを担当。



小説
   ANOTHER DAY,ANOTHER DONGEON 長編ファンタジー
   BRIGHT LIGHT BIG CITY "ISAAC ASIMOV'S SF MAGAZINE" 1991年2月号掲載

 現在は Crossover Technology 社で、ネットワークを用いた直接民主制によって
アメリカの政策を決定する大がかりなシミュレーション "ReInvent America" のプ
ロジェクトを手がけている。



日本語版について
 日本語版は、著者の許諾のもと、NIFTY-Serve ロールプレイングゲーム・メイン
フォーラム(FRPGM) の有志によって、1995年10月から11月にかけて作成されたもの
である。

 企画・制作 : FRPGM 英文翻訳プロジェクト design_j.txt制作チーム



         代表:馬場秀和 (PDF00200)

         協力:Bugger  (LDA00166)
            SHIGE(SDI00627)
            御宗銀砂 (HGF01053)
            AGE  (NBB02052)
            とろり  (GAG02164)
            RIDDLE  (NCB02234)
            Shino  (HFH00072)
            佐藤俊之 (PGB01043)
            西川知宏 (VED04252)
            Genich!  (SDI00769)


 日本語版に対する絶賛は、馬場秀和まで。メールアドレスは『馬場秀和ライ
ブラリ』のトップページに載っています。本ドキュメントの最後にあるリンク
から辿って下さい。
http://www004.upp.so-net.ne.jp/babahide/
−−−−−−−−−−−−−−−−


(了)

コスティキャンのゲーム論はこちら。
http://www.n2gdl.net/topics/topic004/main.html


「なるほど」「よかった」の一言でもかまわないので、メルマガの感想文を書
いて送ってください。
あなたの一言が私の励みになり、よいメルマガを書こうという意欲になります。
ぜひあなたの声を聞かせてください!

 ↓ここからどうぞ↓
 http://www.n2gdl.net/reviewform/reviewform.html

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■編集後記
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 「コスティキャンのゲーム論・解説」とうとう終了ですね。

 長かったですね〜〜〜(笑)。5ヶ月ですよ、5ヶ月!
 こんなに長くなるとは思ってもみませんでした。


 「コスティキャンのゲーム論」はある意味私の原点ですから、ぜひ掘り下げ
て解説してみたかったんです。


 次はなにをメルマガで読者に提供しようか…? なにか大きな企画がいいな
あ、と思ったとき、速攻「馬場秀和ライブラリ」の馬場さんに転載許可依頼メー
ルを出してました。


 その連載も終わり…。


 これで私もこころ置きなく以前のメルマガの体裁に戻れます。


 あ、来週(?)からは、ちょっとテスト的にメルマガの書き方を変えるかも
しれません。


 「エモーショナル・ゲームデザイン」についての説明も書きたいですし、い
ろいろ変化があると思うので、期待してみてくださいね。


 ということでまた次回!

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■5ステップ、ガンガンやってます!
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 5ステップを買った方から、アドバイス希望メール、かなりきてます。

 みなさん「自分が本当に作りたいものを作る生活」のために動いてますね。


 ということで、購入した方の声です!

−−−−−−−−−−−−−−−−
初めまして、本日(というか、ついさっきですが…)
『個人ゲーム開発で暮らすための5ステップ』を購入させて頂いた、
田村と申します。

購入させて頂いたのは良いのですが・・・
全然読めません。
読んだ瞬間、「なんじゃこりゃ・・・」とか思いました。




・・・というのも、数ページ読んだだけで色々なアイデアが湧き出て、
先を読むどころじゃないからですっ!!!
今も、ワクワクが止まらなくて、『今すぐに感想メールを書きたい!!』
と思って、このメールを書いている最中です(笑)


お恥ずかしいことに、私はゲーム開発会社への勤務経験はありません。
ソフトウェア開発の会社に3年ほど在籍していましたが、
どうしても小さい頃からの夢であった、ゲーム開発がやりたくて、
1年前に退社し、フリーランスとしてビジネスプログラムの開発を
請け負いながら、同人(?)ゲームの開発をしています。
まあ、道は険しく、まだ完成には至っていないんですが…(苦笑)


ワクワクが止まらなかった、というのは、今回のレポートの内容が、
私が最近考えていた方法にかなり近く、自分の考えは不可能なものでは
ないんだ、と思ったから・・・

そして、何よりもワクワクするのは、
読むごとに新しい閃きが生まれてくることです。

まず、紹介ページを見て、失礼な話ですが、
『この商品のアフィリエイトサイトは一部の人に絶対ウケル!!』
と思いました。
更に、この商品を購入した人は、全員ゲームを作りたい人なんだから、
コミュニティサイトや情報交換の場があれば盛り上がる!!
独立するときの仲間探しにも使えそうですし。
というか、そういうサイトが欲しい!とも思いました。
・・・もう、この2つから、どんどんアイデアが膨らんでしまいました。
後者はともかく、前者は25日がきたらすぐにでも、サイトを公開して、
少しでも同志を増やしたい、そう思っています。
ぶっちゃけ、サイト収入が欲しいのではなく、純粋に同志が欲しい、
そういう気持ちです。

そして、このメールを書きつつも、ゲーム会社未経験の自分が
どうやってゲームプログラムを作っているのか、どうやって学んだのか、
を知りたい人はきっと居る、とも思いつきました。
実は○○が○○なんですが、この常識外れとも思えるやり方も、
ある意味「ウリ」に出来る、これも結構強みだな、と。
○○関連は腐るほどありますが、○○って少ないんですよね。
勉強していて凄い苦労した記憶があります。

挙げていくとキリが無いのですが、まだまだくすぶっているアイデアも
沢山あって、早く実践したくて、本当にワクワクしています。
脳内麻薬出まくりです、きっと(笑)
まあ、ゲームの内容に直結するワケではないですが・・・



今できることは限られていますが、今日から早速、ブログを始めようと思います。
独自サイトを作るのが良いとは思いますが、まずは、
簡単に出来るところから始めます。
内容は、○○ゲーム開発日誌!
読者対象が非常に限られますから、正直迷っていたんですが、
ともかく、まずやってみようと思います(失敗するかも知れませんが)
その中で、このレポート『個人ゲーム開発で暮らすための5ステップ』や、
それ以外の各種レポートも、紹介したいですね(無論25日以降で、ですが)
あ、あと、eBookも構想を練り始めますっ(笑)


さて、勢いだけで書いた節がありますので、
長く、汚い文章になってしまいましたがお許しください。
お忙しいのに、ここまで読んで頂いてありがとうございました。

あと、最後になってしまいましたが、私の一歩を踏み出させる、
素晴らしい「情熱の炎の着火剤」を売って頂いて、ありがとうございます!!
この、燃え上がった炎が消えないように、今後も面白いゲームを開発することに
尽力していきたいと思います。

ゲーム業界の未来が明るいものになるよう、願わずにはいられません。
どうも、ありがとうございました!!!


田村さん 23歳
−−−−−−−−−−−−−−−−

▼個人ゲーム開発で暮らすための5ステップ
http://www.n2gdl.net/bookshop/indy/index.html

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■ゲームのしくみ セットパッケージ情報
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 デベロッパーズセットを購入したシゲルさんより。

>印象に残ったのはズバリ全てです。どれもクオリティーが高く最高でした。


 現役のゲーム開発会社やゲーム専門学校にも買って頂いております!


 本屋には置いていない、サイトでだけ売っている情報です。
 「高密度の気づきがある!」と好評です。

http://www.n2gdl.net/bookshop/gametips48/gametips48.htm#setlist

●ゲームデザイナーズセット
・Gamedesign tips48
・宮本茂論

●プランナーズセット
・Gamedesign tips48
・宮本茂論
・ゲーム仕様書の書き方−基礎編−
・ゲーム企画書の書き方−基礎編−

●デベロッパーズセット
・Gamedesign tips48
・宮本茂論
・ゲーム仕様書の書き方−基礎編−
・ゲーム企画書の書き方−基礎編−
・プログラムの達人1〜3セット

 興味のある方は、以下のURLよりどうぞ。

http://www.n2gdl.net/bookshop/gametips48/gametips48.htm#setlist


それぞれ単品でも購入できます。
詳しくはサイトにて。

http://www.n2gdl.net/

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■これをヒントにゲームを作れ!! お薦め書籍
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 ゲーム開発で役に立つ本を紹介しています。
 以下のURLからどうぞ。

http://www.n2gdl.net/topics/topic003/index.html

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■バックナンバー
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 バックナンバーはこちらで見ることができます。

http://www.n2gdl.net/magazine/index.html

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■このメルマガについて
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 新しく登録して頂いた方、はじめまして。
 既に何度も読まれている方、ありがとうございます。感謝です!

 ゲームのしくみの新田です。

 このメルマガはゲーム業界8年目の私が、

・これからゲーム業界に入ろうとしているあなた
・ゲーム業界に入ってまだ日が浅いあなた
・人をハマらせるもの作りに興味のあるあなた

に向けて、情報発信することを目的として発行しています。

 また、ムーブメントつながりでビジネスモデル構築やマーケティング理論、
心理学、NLPなどにも非常に興味がありますので、これらの「人をハマらせ
る」技術も、あわせて発信していきたいと思います。

 どうぞ宜しくお願いします!


 みなさんと一緒に紙面を作りたいと考えています。
 ご質問ご意見はお気軽に。

 フォームから送れます。「感想」「意見」などをタイトルにしてどうぞ。
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内容について:

・くどいくらいに同じ話が出てくることがありますが、それはそれだけ私が大
事だと思っている話です。「あ、また出た。重要なのか」と思ってください。
 回数が多い話ほど、重要視しています。


・「当然だ」「それは知ってる」と思うこともあると思います。しかし大事な
のはどう実践に活かすか? ということです。


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