BACK

▽▼───────────────────────────────▽▼
 ハマるしかけを作る! 8年目ゲームクリエイター・ムーブメント研究!
 第84回 「トライアル&エラー・メソッド」 2005/11/30(wed)
△▲──────────────────── http://www.n2gdl.net/▲△

 ゲームのしくみの新田です。


 月曜日、火曜日と所用で実家の秋田に帰っていたので、メルマガを
発行できませんでした m(__)m。


 実家では弟がラーメン屋を切り盛りしているんですが、


「どうやってお客を集めるか?」

「どうやってお客にリピーターになってもらうか?」


などという「しかけ」を用意する必要があるんですね。

 ただ「うまいもの」を作ればいいというわけではない。


 これは、ある意味ゲームデザインの「しかけ」と非常によく
似ているんです。
(感情を動かすという意味ですね)


 根っこの「人を動かす」という部分は変わらないので、
似てくるんですね。


 マーケティングの勉強がゲームデザインに役立つのもこのためです。

───────────────────────────────────
■トライアル&エラー・メソッド
───────────────────────────────────

 RPGなど、1本道のシナリオで終わるゲームも含め、
1つのゲームを「何度も」遊んでもらうには、いったいどんな
しかけを施したらいいんでしょう?


 何度も遊んでもらうには…これは、宮本さんの有名な言葉がありますね。


 「どうして失敗したか? それがわかると再挑戦性が高まる」


 例えばスーパーマリオで、スピードを出しすぎていたために
カメにぶつかってしまった…そういう原因がわかると、じゃあ直前で
スピードを緩めよう、ということになる。


 スーパーマリオに出てくる敵というのは、比率的にマリオを狙って
攻撃してくるものが少ない。

 マリオと関係なく、各自勝手に動いているもののほうが多いんですね。


 そうなると、プレイヤーがミスして敵にぶつからない限り、
失敗はないことになる。するとミスの原因は非常に明確になります。



 ミスの直前のプレイヤーの行動が、ミスの原因だとはっきりするわけです。

 こういうところに、宮本さんのゲームデザインの思想が現われていますね。



 これが、カメがすごいAIで、ファイアボールを投げてもそれをひょいっと
避ける、などとなると、「どうしたらいいのよ??」と、攻略方法が
わからず、ゲームを投げることに繋がってしまう。


 だから、開発側としては、わざと「攻略できる余地」をプレイヤーに
与えないといけないんですね。

 敵の頭の悪さ(?)は、その余地となるわけです。


 プレイヤーが取れる選択肢を想像できないと、ゲームは
投げられてしまいます。


●まだ見ぬ世界

 もうひとつ、有名人による、何度も遊んでもらうには? の
考察例を挙げましょう。


 知る人ぞ知るオタキングの岡田斗司夫さんが、ガイナックスに
勤めていたころゲームを作ることになり、「ゲームとはなにか?」
ということを、とりあえず決めなければ! という状態になりました。


 さんざん考えた挙句、とりあえず決めたのは、



「ゲームは紙芝居である!」



ということにしたのです。


 つまり、新しい絵、新しい物語の進展を見るために、プレイヤーは
ゲームをやり続けるのだ…という観点ですね。


 そういう考えのもとに、「プリンセスメーカー」は作られ、
ヒットしました。


 岡田さんは、もちろん稚拙な定義だということはわかっている、
しかし、まずは決めて進めるしかなかったのだ、と言っていました。



 まずは決めてしまう、仮説を立てる、これ、大事です!



 そして、ゲーム=紙芝居、これはあながち間違いではなかったんです。

 逆に、これにフォーカスしたからこそ、成功した。



 先にある物語、新しいマップ、新しい敵、新しいボス、新しい展開…
それを「期待」して、ゲームをプレイすることは多いのです。


 今あるゲームのほとんどは、「新しいなにかを見ること」を期待して、
ゲームを進めていますよね?



 もちろん「とにかくデータを詰めて間を持たせろ」的な、量ばかりが
多くて内容のない大規模ゲームを作れ、ということではありません。
(そういうゲームは多いですが)

 データを詰めこまなくても、展開の新鮮さを作り出すことは可能です。
(これについては、サイトにて「セコンド・メソッド」で説明しています)


 方法はどうあれ、「まだ見ぬ世界」を用意して、それを「期待」させる、
これはもう大昔から使われている、エンタテインメントの手法です。


 まだ見ぬものという期待があるからこそ、人は惹きつけられる。


 「強烈な期待」があれば、映画「マトリックス」や「スターウォーズ」、
アニメの「ドラゴンボール」のように、人々は次の展開を想像し、噂し、
その「じらし」に嬉しい悲鳴をあげるんですね。


 ゲームも、RPGのシナリオやレベルアップ、RTSの「進化」による
予定された戦闘など、プレイヤーの期待を大きくするしかけがあります。


 「強烈な期待」をどう作るか?


 それは「セコンドメソッド」に譲るとして、そのような「期待」が
あればこそ、プレイヤーは多少辛いゲーム内容であっても、
先を見ようと「何度も」ゲームをプレイするんですね。


(了)

「なるほど」「よかった」の一言でもかまわないので、メルマガの感想文を書
いて送ってください。
あなたの一言が私の励みになり、よいメルマガを書こうという意欲になります。
ぜひあなたの声を聞かせてください!

 ↓ここからどうぞ↓
 http://www.n2gdl.net/reviewform/reviewform.html

───────────────────────────────────
■編集後記
───────────────────────────────────

 今回はちょっと基本に戻ってみました。

 基礎に飽きないこと! コレ、達人への道だと思います。

 私も達人を目指して精進中です。


 ということでまた次回!

───────────────────────────────────
ゲームのしくみ ラインナップ
───────────────────────────────────
■セットパッケージ

 現役のゲーム開発会社やゲーム専門学校にも買って頂いております!


 デベロッパーズセットを購入したシゲルさんより。

>印象に残ったのはズバリ全てです。どれもクオリティーが高く最高でした。


 本屋には置いていない、サイトでだけ売っている情報です。

 「高密度の気づきがある!」と好評です。

http://www.n2gdl.net/bookshop/gametips48/gametips48_2.htm#setlist

●ゲームデザイナーズセット
・Gamedesign tips48
・宮本茂論

●プランナーズセット
・Gamedesign tips48
・宮本茂論
・ゲーム仕様書の書き方−基礎編−
・ゲーム企画書の書き方−基礎編−

●デベロッパーズセット
・Gamedesign tips48
・宮本茂論
・ゲーム仕様書の書き方−基礎編−
・ゲーム企画書の書き方−基礎編−
・プログラムの達人1〜3セット

 興味のある方は、以下のURLよりどうぞ。

http://www.n2gdl.net/bookshop/gametips48/gametips48_2.htm#setlist


それぞれ単品でも購入できます。
詳しくはサイトにて。

http://www.n2gdl.net/


■個人ゲーム開発で暮らすための5ステップ
http://www.n2gdl.net/bookshop/indy/index.html


■濃密TIPSレポート

■セコンド・メソッド

●SECOND METHOD:「チェイン・リアクション・フロー」
「ハマるゲームデザイン、基本中の基本」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/chain.html

●SECOND METHOD:「レベル・コンフリクト・フロー」
「レベルデザインがゲームを制する!」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/conflict.html

●SECOND METHOD:「カウントダウン・フロー」
「ゲームを盛り上げるための流れ」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/countdown.html


■エモーショナル・ゲームデザイン

●エモーショナル・ゲームデザイン:発想法「Don't think feel」
「考えるな、感じるんだ!」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/dontfeel.html

●エモーショナル・ゲームデザイン:発想法「状況逆算発想法」
「プレイヤーになってほしい状態」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/situation.html

■プランニング

●企画書の書き方「ゲームの面白さを確実に伝える方法」
「採用したい企画書」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/plan_kakujitsu.html


───────────────────────────────────
■バックナンバー
───────────────────────────────────
 バックナンバーはこちらで見ることができます。

http://www.n2gdl.net/magazine/index.html

───────────────────────────────────
■このメルマガについて
───────────────────────────────────

 新しく登録して頂いた方、はじめまして。
 既に何度も読まれている方、ありがとうございます。感謝です!

 ゲームのしくみの新田です。

 このメルマガはゲーム業界8年目の私が、

・これからゲーム業界に入ろうとしているあなた
・ゲーム業界に入ってまだ日が浅いあなた
・人をハマらせるもの作りに興味のあるあなた

に向けて、情報発信することを目的として発行しています。

 また、ムーブメントつながりでビジネスモデル構築やマーケティング理論、
心理学、NLPなどにも非常に興味がありますので、これらの「人をハマらせ
る」技術も、あわせて発信していきたいと思います。

 どうぞ宜しくお願いします!


 みなさんと一緒に紙面を作りたいと考えています。
 ご質問ご意見はお気軽に。

 フォームから送れます。「感想」「意見」などをタイトルにしてどうぞ。
 http://www.n2gdl.net/reviewform/reviewform.html

内容について:

・くどいくらいに同じ話が出てくることがありますが、それはそれだけ私が大
事だと思っている話です。「あ、また出た。重要なのか」と思ってください。
 回数が多い話ほど、重要視しています。


・「当然だ」「それは知ってる」と思うこともあると思います。しかし大事な
のはどう実践に活かすか? ということです。


 このメルマガでは、あなたの「気づき」と「実践」が一番の財産になります!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●お問い合わせ・感想はinfo@n2gdl.netまで

■発行・編集:ゲームのしくみ研究委員会
■COPYRIGHT (C) 2003 STUDIO N2LAB.
SOLE PROPRIETORSHIP. ALL RIGHT RESERVED.

■URL:http://www.n2gdl.net

このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ を利用して
発行しています。配信中止はこちら http://www.n2gdl.net
 (今まで読んでくださってありがとうございました!)

■無断転載は禁止いたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

BACK


COPYRIGHT (C) 2003 STUDIO N2LAB. SOLE PROPRIETORSHIP. ALL RIGHT RESERVED.
webmaster info@n2gdl.net