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 ハマるしかけを作る! 10年目ゲームクリエイター・ムーブメント研究!
 第93回「ランダム性が生むギャップ(3)」 2006/01/30(mon)
△▲──────────────────── http://www.n2gdl.net/▲△

 どうもです。ゲームのしくみの新田です。

 今回はまた読者の方のメールをご紹介しますね。

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犬田さん

はじめまして、先日レポートを購入した犬田です。
レポートを参考にさせていただいています。

僕は大学一年で、専攻はゲーム関連ではないのですが、将来はゲーム会社で
働きたいと思っています。

しかし、ゲームの業界のことを詳しく述べている参考文などがほとんどなく、
色々探していたところ、この「ゲームのしくみ研究委員会」に出会えました。

まだまだ読み足りないので、何度も読もうと思います。

これからも参考にさせていただき、いずれは僕もゲーム会社に就いて
いいゲームを提供したいと思っているので、これからも
面白いレポート楽しみにしています。
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 犬田さんはこんにちは!

 ゲームのしくみのレポートはお役に立ちましたでしょうか?

 レポートのページに載っている1つ1つの要素をどんどん掘り下げて
考えてもらえればと思います。


 ゲーム業界はまだまだ若い業界で、新社会人を育てている会社は
少ないと思います。

 ゆえに即戦力を求める会社が多く、学生の頃からスキルを磨いていないと
厳しい側面もあります。


 メルマガを読んでいるゲーム業界志望の方には、ボロでもいいので、
ゲームを1つ完成させることをお薦めしています。


 1つのものを完成させること、これができる人は強いです。


 ボロであっても完成させれば、直すところが見えてくる。

 そうなれば、スキルアップのスパイラルに入ることができます。


 犬田さん、頑張ってくださいね。

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■ランダム性が生むギャップ(3)
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 「粘る」うえに「もう一回!」という「再挑戦性」を併せ持ったゲームが、
ランダム性を使うことで作れる。


 それはいったいどういうことなのか!?



 はい。

 説明します。




 まず、ゲームが「粘り」をもつには、多様で複雑な選択肢が必要になる。


 それが深く、幅の広いゲームの展開を生み出します。

 簡単に言うと、「読み」の必要なゲームになるわけです。


 「読み」とはなにかというと、展開を予測する行為を言います。


 いわゆる「深い」とは、予測できる展開の広がりがあり、長く、遠い(深い)
ということなんですね。


 将棋は、どの駒を動かすか、それによって展開が全然変わります。

 だから、最善の選択肢を選ぶために、先を読み、最も有利な展開になるような
手を選びます。これは囲碁でも同じですね。


 「風来のシレン」はどうでしょうか。

 危険な状況になったときや、モンスターハウスに入ったとき、
「このアイテムを使って、ここで一回殴られたら、次にこの杖を使って…」と、
展開を読みますよね。



 「考えさせる」ゲームは、このような「読み」があるわけです。

 シミュレーションゲームやパズルゲームには「読み」がありますか?



 …ありますよね。

 先を読んで遊びますよね?

 戦略を立てますよね。

 解法を考えますよね。


 どちらも、解くために「ああなって、こうなるから…」と考えます。

 これがゲームの「粘り」のもとです。


(ゲームではなく、映画や小説などで使う「粘り」はもっと単純ですが、
ここでは説明を省きます)



 それでは、この「粘り」にランダム性が加わるとどうなるか…?

 深みは、もっと増します。

 なぜか?



 確率的な要素が入るからです。



 確率の世界では、絶対はありません。

 確率の世界での勝負は、勝つときもあるし、負けるときもある。

 ただし、勝負の数をこなしていくと、「偏り」が生まれます。

 1回の勝負では勝率55%でも、3回の勝負では勝率80%、
ということが起こりうるのです。



 逆に言うと、熟練のプレイヤーでも、1回だけの勝負なら、
負けることがありうる。



 これは、将棋など完全に実力勝負のゲームでは、ほとんど
ありえないことです。



 ここに、「ランダム性」の旨みがあります。

 勝負が「拮抗」すること。

 ここに興奮があるからです!



 また、勝負が拮抗するということは、
「次はこうしたら勝てるのでは?」という、希望が常にあるという
ことですから、「もう一回!」という言葉も出やすい。


 ギャンブルの要素なのですが、射幸心(しゃこうしん)という、
人のこころを煽る要素も出てくる。



 麻雀を考えてみてください。

 役満という、「一発逆転の役」がありますよね。



 あれなどは、確率は低いのですが、できれば大逆転の、射幸心を煽る
ドキドキの要素だと思いませんか?



 こういう要素をあなたの作るゲームに盛り込んだら…?



 う〜む、今回は大きなネタを提供してしまった氣がします(笑)。



 ぜひ、あなたの作るゲームに、「粘り」と「ランダム性」を
入れ込んでみてください。


 もっと突っ込んだ内容は、特別レポートにて提供しますね。


(了)

 ぜひあなたの声を聞かせてください。

 ↓ここからどうぞ↓
 http://www.n2gdl.net/reviewform/reviewform.html


 編集後記は最後のほうに移動しました。

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ゲームのしくみ ラインナップ
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 あなたも創作活動で食べていく道を考えてみまませんか?

■個人ゲーム開発で暮らすための5ステップ
http://www.n2gdl.net/bookshop/indy/index.html

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 現役のゲーム開発会社やゲーム専門学校にも買って頂いております!

 デベロッパーズセットを購入したシゲルさんより。

>印象に残ったのはズバリ全てです。どれもクオリティーが高く最高でした。


 本屋には置いていない、サイトでだけ売っている情報です。

 「高密度の気づきがある!」と好評です。

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●ゲームデザイナーズセット
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・宮本茂論

●プランナーズセット
・Gamedesign tips48
・宮本茂論
・ゲーム仕様書の書き方−基礎編−
・ゲーム企画書の書き方−基礎編−

●デベロッパーズセット
・Gamedesign tips48
・宮本茂論
・ゲーム仕様書の書き方−基礎編−
・ゲーム企画書の書き方−基礎編−
・プログラムの達人1〜3セット

 興味のある方は、以下のURLよりどうぞ。

http://www.n2gdl.net/bookshop/gametips48/gametips48_2.htm#setlist


それぞれ単品でも購入できます。
詳しくはサイトにて。

http://www.n2gdl.net/


■濃密TIPSレポート

■セコンド・メソッド

●SECOND METHOD:「チェイン・リアクション・フロー」
「ハマるゲームデザイン、基本中の基本」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/chain.html

●SECOND METHOD:「レベル・コンフリクト・フロー」
「レベルデザインがゲームを制する!」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/conflict.html

●SECOND METHOD:「カウントダウン・フロー」
「ゲームを盛り上げるための流れ」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/countdown.html


■エモーショナル・ゲームデザイン

●エモーショナル・ゲームデザイン:発想法「Don't think feel」
「考えるな、感じるんだ!」
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●エモーショナル・ゲームデザイン:発想法「状況逆算発想法」
「プレイヤーになってほしい状態」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/situation.html

■プランニング

●企画書の書き方「ゲームの面白さを確実に伝える方法」
「採用したい企画書」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/plan_kakujitsu.html


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■バックナンバー
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 バックナンバーはこちらで見ることができます。

http://www.n2gdl.net/magazine/index.html
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■編集後記
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 「ランダム性」に着目している人ってどのくらいいるのでしょうか?

 それから展開の広がり。


 私はこれらに大きな関心を持っていて、自分が作るゲームには必ずと
言っていいほど盛り込んできました。


 まだまだ極まっていないのですが、これから突き詰めていきたいと
思っています。


 ということでまた次回!

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