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 ハマるしかけを作る! 10年目ゲームクリエイター・ムーブメント研究!
 第97回「ゲームデザインのレバレッジ」 2006/02/28(tue)
△▲──────────────────── http://www.n2gdl.net/▲△

 どうもです。ゲームのしくみの新田です。


 お知らせです!

 ゲーム開発初心者の方へ特別レポートを提供してくださっている
原田さんの「ゲーム解体新書」シリーズですが、このたび「3」を
発売することになりました!!


 「1」は足し算のゲームデザイン、「2」は引き算のゲームデザイン、
では、今回の「3」は?


 それは、かけ算のゲームデザインです。


 原田さんからのメッセージが届いておりますので、どうぞ。

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こんにちは、私、原田茂と申します。

アマチュアで、下記のサイトでゲーム製作活動をしています。

KUON GAMES (http://kuongames.net/

経歴としては、雑誌のコンテストで賞を取ったくらいです。


さて、このメールを読んでくれている方には

多分、わかっていらっしゃると思いますが、

ゲームを作るのって、大体の場合、

大量の資金や時間や労力や情熱などが必要になります。


ですので、仲間内でゲームを作ろう!という流れになっても

ほとんどの場合、空中分解して未完成で終わるか、

あるいは、何とか完成させても失敗作で終わるかのどちらかです。


そして、この苦くて、辛い経験を味わって、

もうゲーム製作はやめてしまうという挫折するパターンが一般的です。

つまり、ゲーム製作のほとんどの場合がバッドエンディングなのです。


何故、そうなってしまうのかと言えば、

各々の作り手の経験不足と勉強不足に尽きます。

そういう意味で、ゲームを作るのって甘くはないです。


では、どうすればいいのかと言えば、

経験を積むか、勉強をするかのどちらかです。


経験を積むのは非常に重要なのですが、

時に、完璧に挫折する時があるので、

いきなり実地で戦うのはオススメできません。

また、大量の資金や時間や労力や情熱などを消費してしまいます。


しかし、勉強をするにしても、ゲームを作るときの

教科書となるようなものがこれまでにあまりありませんでした。

そこで、私がゲーム解体新書3というゲームの教科書を書き上げたのです。


ゲーム解体新書3では、基礎となるゲームデザインがまとめられています。

この書籍を読むか読まないかでは、ゲームの出来にはるかに差が出てくるでしょう。

ゲームデザイン書籍としてもそんなに高いものではないので、

この本を読んで、あなたがハッピーエンドを迎えることができますように。
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 「ゲーム解体新書3」の詳細はこちらからどうぞ。
http://www.n2gdl.net/bookshop/kaitai3/index.html

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■ゲームデザインのレバレッジ
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 私はよく、ゲームの「レバレッジ」というものを考えます。


 レバレッジとは「てこ」のことです。

 てこは力点、支点、作用点という考え方で重いものを少ない力で動かす
という、力学に出てくる道具ですね。


 また、私はゲームの「シナジー効果」ということも、よく考えます。

 シナジー効果とは、相乗効果のことですね。

 相乗効果とは、例えば車は、車輪とパワー伝達装置、エンジン等が
組み合わさって出来ていますが、その個々が持つ力が1だとしても、
組み合わせ方によっては、個々の力の総数以上の力を出すことが
できるんです。


 簡単に言うと、力は組み合わせによって、総和ではなく、
相乗(かけあわせ)の力が得られることがある、ということです。


 こういう視点から考えると、ゲームにどういう変化があるかというと。


 まず、数が作れるので、ゲームが豊かになります。

 それから、コストが安く済む。

 作る時間が少なくて済む。

 ゆえに、質を上げることができる。

 こういった効果が得られるわけです。


 ちょっと概念的ですか?
 はい、ではもっと具体的に説明しましょう。


 昔のゲームによく出てきたんですが、「色違いの敵」という
ものがありましたよね?


 姿かたちは同じなんだけど、色だけ違ってて、赤と黒とか、
黄色と黒みたいな毒々しい色をした敵は強かったりとか。

 強そうな色の敵は、やけにヒットポイントがあったりとか。


 また、「色違いのアイテム」なんてのもよくありましたよね。
 色の違いと、そのアイテムの持っている数値パラメータの違いで
アイテムのバリエーションが作られていました。


 これ、非常に制作コストが安く済むわけです。
 時間もそうかからない。


 絵自体は同じで、パレットと呼ばれる色のデータだけを差し替えて
いるだけなんですね。

 だから、絵を作ったら、あとは配色を変えて、アイテムを量産
できるわけです。


 ここで、グラフィックがすべて描かれている方が優れているのでは
ないのか? と思う人もいるかもしれませんが、必ずしもそうではないん
です。

 ゲーム開発は限られた時間で作られますから、そのグラフィックを
すべて描く時間を節約した分、ゲームの中身に時間をかける、そういう
配慮も必要なんですね。


 そういう時間配分の配慮が、ゲーム全体のバランス、ひいては
ゲームの面白さを全然違うものにする。


 ここにゲームデザインのレバレッジがあったりします。


●では、ゲームデザインの相乗効果とは?

 これはいろいろあると思うのですが、私が一番に思いつくのは、
「組み合わせ」です。


 例えば、「スタークラフト」というRTSは、3つの種族がいるわけですが、
2人でゲームを遊ぶ場合、この3つの種族の対戦の組み合わせは3×3で
9つあるわけです。

 要するに9つのバリエーションで対戦を遊ぶことができるということですね。


 そしてさらに、このゲームは8人まで同時に遊ぶことができますから、
6000通り以上の対戦パターンがあります。


 実際には、人ごとの戦略の違いや、プレイのゆらぎ、間、タイミング、
熟練度など、さまざまな要因が絡まってきますから、この数値だけで
「組み合わせによる相乗の具合」を出すことは無意味です。

 また、想定される状況の数の多さが、必ずしも面白いゲームに繋がる
わけでもありません。

 これが面白さに繋がるには、ゲームを面白くするポイントを
つかんでおかなければならない。



 では、なにを「相乗」すると面白さが相乗効果で面白くなるのか?

 それには、「ある視点」が必要です。



 単なる物量が面白さに直接繋がるわけではない。

 組み合わせによる状況の多様さが面白さに直接繋がるわけではない。

 では、どういう視点を持てばいいのか?



 それは「感情」という視点なんです。



 ここから先をあまり詳しく書くと「セコンド・メソッド」を持っている
人に怒られるので詳しくは書けませんが、「感情」を刺激する「状況」が
多ければ、それは面白さに繋がっていきます。


 また、感情をどれだけ大きく揺らせるか? この取り組みも、面白さに
繋がっていきます。


 「感情」を刺激する確証を得た上での、「物量」「状況の多様さ」は、
面白さの相乗効果がかかるわけなんですね。

 面白さが加速するわけです。

 面白さが加速すると、正座でゲームをしていた人が、そのポーズのまま上に
飛び跳ねたりする状況が生まれたりするわけです(笑)。

 要するに、体中で面白さを感じることができるようになる。


 この話は深いので、続きは次回で説明することにします。

(続く)

 ぜひあなたの声を聞かせてください。

 ↓ここからどうぞ↓
 http://www.n2gdl.net/reviewform/reviewform.html


 編集後記は最後のほうに移動しました。

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ゲームのしくみ ラインナップ
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 あなたも創作活動で食べていく道を考えてみまませんか?

■個人ゲーム開発で暮らすための5ステップ
http://www.n2gdl.net/bookshop/indy/index.html

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■セットパッケージ

 現役のゲーム開発会社やゲーム専門学校にも買って頂いております!

 デベロッパーズセットを購入したシゲルさんより。

>印象に残ったのはズバリ全てです。どれもクオリティーが高く最高でした。


 本屋には置いていない、サイトでだけ売っている情報です。

 「高密度の気づきがある!」と好評です。

http://www.n2gdl.net/bookshop/gametips48/gametips48_2.htm#setlist

●ゲームデザイナーズセット
・Gamedesign tips48
・宮本茂論

●プランナーズセット
・Gamedesign tips48
・宮本茂論
・ゲーム仕様書の書き方−基礎編−
・ゲーム企画書の書き方−基礎編−

●デベロッパーズセット
・Gamedesign tips48
・宮本茂論
・ゲーム仕様書の書き方−基礎編−
・ゲーム企画書の書き方−基礎編−
・プログラムの達人1〜3セット

 興味のある方は、以下のURLよりどうぞ。

http://www.n2gdl.net/bookshop/gametips48/gametips48_2.htm#setlist


それぞれ単品でも購入できます。
詳しくはサイトにて。

http://www.n2gdl.net/


■濃密TIPSレポート

■セコンド・メソッド

●SECOND METHOD:「チェイン・リアクション・フロー」
「ハマるゲームデザイン、基本中の基本」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/chain.html

●SECOND METHOD:「レベル・コンフリクト・フロー」
「レベルデザインがゲームを制する!」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/conflict.html

●SECOND METHOD:「カウントダウン・フロー」
「ゲームを盛り上げるための流れ」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/countdown.html


■エモーショナル・ゲームデザイン

●エモーショナル・ゲームデザイン:発想法「Don't think feel」
「考えるな、感じるんだ!」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/dontfeel.html

●エモーショナル・ゲームデザイン:発想法「状況逆算発想法」
「プレイヤーになってほしい状態」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/situation.html

■プランニング

●企画書の書き方「ゲームの面白さを確実に伝える方法」
「採用したい企画書」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/plan_kakujitsu.html


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■バックナンバー
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 バックナンバーはこちらで見ることができます。

http://www.n2gdl.net/magazine/index.html
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■編集後記
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 実は今日、私の誕生日です。
 またひとつ、熟年に近づいた気がします(笑)。

 歳を取っても、ゲーム業界で私のやりたいことは変わりません。



 「誰しもが自分の作りたいゲームを作れる環境を作る」



 私自身も、欲しい環境だったりします。

 これに向かって、まだまだ進んでいきますよ!

 ということでまた次回!

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