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 ハマるしかけを作る! 10年目ゲームクリエイター・ムーブメント研究!
 第137回「ゲーム業界(9)」 2007/01/11(thu)
△▲──────────────────── http://www.n2gdl.net/▲△

 どうもです。ゲームのしくみの新田です。

 明けましておめでとうございます。
 と、年が明けてもう10日以上も経ってしまいましたね^_^;。


 そうそう、1年1年を悔いのないものにしていくために…。


 1つだけ、「これを成し遂げたら今年は成功だ!」と言える目標、
作りましょう! と、去年話しましたね。
 どうですか? 目標を立てることはできました?



 …そうですか。

 今年はきっとあなたの年です。あなたが飛躍する年ですよ!

 気合い入れていきましょう!



 今回は、「ゲーム業界」編で、コンポーザーのお話をしようと
思っていたら、ちょうど現役でゲームコンポーザーをお仕事にしている
方が、ゲームのしくみに記事を寄稿してくれることになりました!
 パチパチパチ!


 去年はコミネトさんはじめ、ゲーム製作の成功事例をご紹介してきましたが、
今年もあなたの経験の先取りとなるような情報を提供していけたらと
思っています。


 ということで、今年も宜しくお願いします!

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■ゲーム業界の仕事
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●コンポーザー

 コンポーザーとは、「作曲者」のことです。

 ゲーム業界では、「音屋」「サウンド」「サウンドクリエイター」
などと呼ばれています。

 ゲームに合わせて音楽を作ってくれる職業の人ですね。


 一見、ゲームにおける音楽の存在は軽んじられているようですが、
ゲームにとって音楽は非常に重要な要素です。


 音楽とゲームがいかにマッチしているか? これによりゲームから感じる
面白さが微妙に変わってくる。

 また、ゲームのSE(Seound Effect)1つ取っても、それで爽快感が
全然変わってくるんですよ。


 敵を思いっきり殴る音、切る音、それから銃の発砲音、これらがハデだから
爽快感を感じる、という部分がありますよね?


 また、リアル系のゲームでは、無音の中での歩く「ジャリジャリ」という音、
歩く場所によって音が違うという臨場感、これもゲームプレイの「質」を変えます。

 こういう音がもし曇っていたら…音質が低かったら…台無しですよね?


 私の場合、そのSEが使われる「頻度」にフォーカスを当てていました。
 使われる頻度の高いSEは、質高く。あまり使われないSEは、ほどほどに。


 よく使われるSEほどプレイヤーの耳に入りますし、SEだけでなく
曲自体もよく使われる曲にはこだわっていました。
 リテイクを何度も出しましたね。


 サウンドメモリはけっこう少ないですから、コンポーザーさんとの
戦いでした(笑)。「無理言うな!」とよく怒られたのを覚えています。


 ゲームの音楽が好きな人は分かると思うのですが、ゲームの曲って
よく耳に残るんですよ。


 それはなぜだと思います?


 それはゲームが感情を揺さぶるものだからなんですよ。


 人は感情的になった場面の物事は、よく覚えているんです。

 人の脳は、感情が記憶のインデックスになっているんですね。


 だからゲームで興奮したときの曲やSEを聴くと、その感情が
蘇ってくる。

 よくありますよね? 昔のゲームの曲を聞いたら、そのときの
気持ちをすごく鮮明に思い出すなんてことが。


 ゲームの内容だけでなく、そのゲームをプレイしていたときの
家庭環境とか、学校の思い出なんかもよく思い出しますね。


 私はドラクエIIIの音楽を聴くと、冬に駅前をチャリンコで
走り回ったことを思い出します(笑)。それも映像とともにありありと。


 よくドラクエの曲は名曲だと言われますが、私は曲自体だけで
なく、ゲームの面白さ、そしてプレイしていたときの環境の記憶が、
「名曲」と感じさせる大きな要因だと思っています。


 人の記憶とは統合的なものなんですよ。


●実態

 ゲームで使われる曲はゲームの規模にもよりますが、
20〜30ほどが平均だと思います。


 プランナーからゲームで使う曲のリストをもらい、
口頭で曲の印象、感覚などを聞き出して、その抽象的な
リクエストを曲に落とす作業をします。


 これは私と一緒に仕事をしたコンポーザーの方が言っていたの
ですが、だいたいの曲は「プランナーが好きな曲」を
作ることになるそうです(笑)。


 これは音楽というものが非常に感覚的なものなので、
そういう指定の仕方しかできないからだと思うのですが、
参考として渡されるCDがその人の持っているCDの中から
選ばれることから考えても、ある程度しょうがないことでしょうね。


 コンポーザーは、もちろん曲だけでなく、SEも作ります。


 ゲームによってはSEは100〜300などということは
ザラですから、その選定作業や、ゲームに合っているかなどの
企画との詰め作業は、けっこう密度の濃い作業です。


 また、声優のボイスのあるゲームは、何百もある音声を
DAT音源から切り出すという非常に地味な作業があります。


 歌を作ることもあります。
 そのときは作詞をしたり、どう歌うかを自分で音源に吹き込んで、
それを歌手に意図どおりに歌ってもらうなど、調整作業もあります。


 声優や歌手は、プロデューサーが契約してきた音楽スタジオや
サウンド専門の会社から派遣されることになります。
(録音は専用のスタジオで行なわれます)


●需要

 コンポーザーの仕事は作曲の仕事が入るとおよそ3〜6ヶ月ほどの
仕事になることが多いようです。


 仕事のスパンが以外に短いので、よほど余裕のある会社で
なければ、お抱えのコンポーザーを持つことはありません。


 ですので、ほとんどのコンポーザーの方は、フリーランスか、
専門の音楽スタジオに属しています。


 ゲーム専門の音楽スタジオもあるので、ゲーム音楽が作りたい人は
そこに入ることが多いようです。


 どうやってフリーランスのゲームコンポーザーになるか? というと、
私の知り合いの経緯で言うと、音楽がやりたいのだけれども
とりあえず需要の多いグラフィッカーやプログラマでゲーム会社に入社し、
仕事に慣れてきたころに、コンポーザーに転向するという例があります。


 以外にこの転向の例は多いようです。


 …今回は以上です。


 さて、このメルマガですが、ゲーム業界に就職したい学生の方も
多く見ていると思います。


 特に企画の人が多いのではないでしょうか。


 私が企画の方に1点、アドバイスするとすれば…。


 「プランナーが就職できない原因をすべて解決しよう」


 ということです。


 特に学生のあなたは、今からその原因を潰しておけば確実に
就職できる確率は上がります。


 正直、学生のあなたは非常に有利です。



 なぜなら、今からみっちりと勉強できるわけですから。
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 その時間的チャンスを逃す手はないと私は思います。


 じゃあどういう勉強をすればいいのか。


 今回はもう紙面が尽きたので書けませんが、基本的には、
このメルマガで書いてきたことをすればOKです。


 まとめて欲しいという要望もあるかもしれませんが、
 それは、かなり要望が多ければ書くことにしますね。


 要望があれば書くので、もし書いて欲しい人は、以下まで件名を

「プランナーの勉強方法が知りたい」

として、

メールを下さい。

↓ここまで
info@n2gdl.net


 あ、そのとき「今後どういう情報が知りたいか?」も
書いていただけると助かります。

 今後の参考にしますので。

 ということで、宜しくお願いします。


(続く)

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■「その質問に答えるぜ! ぶったぎりQ&A!」

http://www.n2gdl.net/topics/topic006/

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ゲームのしくみ ラインナップ
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 あなたも創作活動で食べていく道を考えてみませんか?

■個人ゲーム開発で暮らすための5ステップ
http://www.n2gdl.net/bookshop/indy/index.html

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■セットパッケージ

 本屋には置いていない、サイトでだけ売っている情報です。

http://www.n2gdl.net/bookshop/gametips48/gametips48_2.htm#setlist

●ゲームデザイナーズセット
・Gamedesign tips48
・宮本茂論

●プランナーズセット
・Gamedesign tips48
・宮本茂論
・ゲーム仕様書の書き方−基礎編−
・ゲーム企画書の書き方−基礎編−

●デベロッパーズセット
・Gamedesign tips48
・宮本茂論
・ゲーム仕様書の書き方−基礎編−
・ゲーム企画書の書き方−基礎編−
・プログラムの達人1〜3セット

 興味のある方は、以下のURLよりどうぞ。

http://www.n2gdl.net/bookshop/gametips48/gametips48_2.htm#setlist


それぞれ単品でも購入できます。
詳しくはサイトにて。

http://www.n2gdl.net/


■濃密TIPSレポート

■セコンド・メソッド

●SECOND METHOD:「チェイン・リアクション・フロー」
「ハマるゲームデザイン、基本中の基本」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/chain.html

●SECOND METHOD:「レベル・コンフリクト・フロー」
「レベルデザインがゲームを制する!」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/conflict.html

●SECOND METHOD:「カウントダウン・フロー」
「ゲームを盛り上げるための流れ」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/countdown.html


■エモーショナル・ゲームデザイン

●エモーショナル・ゲームデザイン:発想法「Don't think feel」
「考えるな、感じるんだ!」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/dontfeel.html

●エモーショナル・ゲームデザイン:発想法「状況逆算発想法」
「プレイヤーになってほしい状態」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/situation.html

■プランニング

●企画書の書き方「ゲームの面白さを確実に伝える方法」
「採用したい企画書」
http://www.n2gdl.net/bookshop/tips/plan_kakujitsu.html


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■バックナンバー
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 バックナンバーはこちらで見ることができます。

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■編集後記
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 今年からもしかしたらメルマガを不定期発行にするかもしれません。


 新しいレポートも書かなければなあ〜という気持ちも高まってますし…。

 しかしどういうレポートの需要が多いのでしょうか?

 どんなレポートを書いて欲しいか、教えてくださいね。


 ということで、また次回! YES!

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