■コスティキャンのゲーム論

●意思決定

 コスティキャンはまず、ことあるごとに「インラタクティヴ性」という言葉
がもてはやされていることに対して疑念をはさみます。


 「インタラクティヴ性」とは、要するに「双方向性」のことです。

 携帯電話で自分が話す。そうすると相手から反応が返って来る。

 それに対して自分が反応して話す。

 簡単に言うとこの「反応の応酬」が、双方向性ということですね。



 スイッチを入れると電灯がつく。

 ツールのアイコンをダブルクリックするとツールが立ち上がる。

 人に「おーい」と言うと「なに?」と返って来る。


 これらも双方向性ですよね?


 しかしこれらは「面白い」わけではない!

 単に「反応が返ってきている」だけなんですね。


 インタラクティヴの定義は、面白かろうが面白くなかろうが関係なく、単に
双方向である、と言っているだけなのです。



 ゲームはもちろんインタラクティヴです。

 パッドをいじると、ゲーム内の様子は刻々と変わっていきます。
 すべての状況はプレイヤーの行動によって変わります。

 しかし、インタラクティヴだから面白い、のではない。



 ではゲームにおいて重要なのはなんでしょう?

 本質的なのことはなんでしょう?

 なにが面白さの根源なのか?



 コスティキャンはそれを「意思決定」だと言います。



 「意思決定? 具体的にはどういうこと?」


 意思決定とは、「よし、こうするぞ」などと、行動の選択のときに起こりま
す。


 具体的な行動を決めるときに行なわれるんですね。


 コスティキャンは、インタラクション(相互作用)が意味を持つには、
「目標」がなければならない! と言います。



 目標を達成するためにどう行動を取るか。

 ゲームはそれを考え判断したり、悩んだりするのが面白い!



 先に進むために、ヒットポイントは足りてるか、アイテムは揃っているか、
強い敵が現われたらどうするか、宝物を手に入れたら退散するか、それともボ
スを倒すまでを小目標にするか…などと考える。



 目標があるからこそ、ベストチョイス(最善の選択)に向けての意思決定が
発生するんですね。


(その意思決定は、アクションゲームのような直感的・反射的な意思決定、シ
ミュレーションゲームのような長い思考を経ての意思決定など、ゲームによっ
てさまざまです)



 ひとつ言えるのは、この意思決定が難しいほど、面白さは増す傾向に
ある、ということです。

 リスクとリターンを計った末の、「思い切った決断」が生まれるからですね。




 「風来のシレン」には「モンスターハウス」という、アイテムがたくさん落
ちているけれどモンスターも密集している、リスクとリターンが共存した部屋
があります。



 この部屋が出現したとき、持っているアイテムや自分の強さを検討しながら、
「アイテムを狙うか、それとも回避するか」を考え、決断することになります。



 また、ゲームではありませんが、みのもんたの「クイズミリオネア」や昔流
行った「究極の選択」などは、この決断の意思決定だけで面白さを出していま
すね。



 最後にコスティキャンは、意思決定には次の要素があると言います。


・目標

・障害物

・資源管理

・ゲームトークン

・情報


 次回からは、これら「意思決定をするための要素」について説明します。



  →ゲームを分析するときには、「このゲームでは、どのような意志決定
   が求められるのか」ということを考えなければならない。

(続く)

コスティキャンのゲーム論はこちら。
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