■特集:「超初心者のための」ゲーム開発 |
■ゲーム作りの障害になっているもの(1) 面白いゲームに出会い、大きな衝撃を受け、「自分でもこんなゲームを作ってみたい!」と思った人は多いと思います。 実は私もそのクチでした。 その昔、アーケードゲームに洗礼を受け、ゲームの中に広がる「世界」に興奮しました。ゲーム中には、独特の「参加できる世界」が広がっていました。 それぞれのゲームが持つ独自の「系」は、バラエティに溢れ、謎が散りばめらていました。 その全貌をどうしても見たい! という欲求に駆られたのは当然といえば当然でした。 結局、その面白い「系」を作り出すことに興味を引かれ、ゲームを作る仕事に就くことになったのですが、その「系」が面白いかどうかを検証するためには、まずゲームを作らねばなりません。 現在、ゲームを作りたいのに下のような理由で手をこまねいている人は多いと思います。 「ゲームを作ってみたいんだけど、どう作ればいいかわからない」 「自分で作りたいゲームがあるんだけれど、いろいろな理由で作れない」 「プログラムを始めてみたんだけど、なかなか進まない」 なぜ、作ることが出来ないのでしょうか。 どうしたらゲームを作ることが出来るのでしょうか? まずは「作れない理由」を考えてみましょう。 ●1・プログラムが組めない(組む気にならない) プログラムをすることが、ゲームを作りたい人の大きな障害になっています。 プログラムは初心者にとって、とかく面倒です。 覚えることも多いし、感覚的でもありません。 理系の専門知識がいりますし、いいゲームを作るには高いスキルが必要とされます。 昔はゲームの規模が小さかったので、多少チープなものでも許されました。 マシンに付属の言語を使ってちょっとしたプログラムを作れば、即座にゲームっぽいものになっていました。 しかし現在はそうもいきません。 プログラム言語は、年々抽象化技法が発展して、とっつきにくくなってきています。 「ポインタがわからない」などと言ってる場合ではないのです。 ゲーム自体も年々高度になってきていますから、それなりの技術が必要です。 3Dものを作ろうものなら、覚えることはヤマほどあります。 ベクトルや行列などの数学知識から始まって、モデル表示・移動、コリジョン(当たり判定)、ライティングなど、それぞれの知識はさらに専門的になっていきます。 ここまで覚えなければ、「今っぽい」ゲームは作れません。 「ゲームを作りたい!」と思った人が、長い道のりを見て諦めるのは、手間ヒマからいっても自然なことかもしれません。 ●2・理想とするゲームの規模が大きい 「コンシューマ市場に出回っているような、ハデなエフェクトを使った3DMMORPGを実現したい!」 …これを読んでいる人はおわかりでしょうが、個人レベルではまず難しいでしょう。 いえ、無理とはいいませんが、気の遠くなるような時間がかかります。 ちょっと規模を落として「3Dアクションゲーム」ならどうでしょうか。 MMORPGよりは作りきる可能性があります。 しかし、それでも相当の根気と努力がいるでしょう。 プログラムの知識はもちろん、モデリングもしなければいけない。 やらなければならないことは沢山あります。 綿密な3年計画を組み、毎日へこたれることなく作り続ければなんとかなります。 しかし…やはり時間がかかり過ぎる、そう思う人が多いでしょう。 ではどのくらいの規模が理想ならいいのでしょうか…? ●3・クオリティが出せない 多くの人が諦めてしまう理由として「とても人前に出せるものを作れそうもない」、「作っても恥ずかしくて出せないものが出来あがるに違いない」と、考えてしまうところにあります。これは先のゲームの規模とも関係してきます。 実際、個人でコンシューマレベルのクオリティを出そうとするのは無謀と言ってもいいでしょう。それをやりたいなら、ゲーム業界に入る努力をしたほうが賢いというものです。 しかし、個人で作っているものであっても、クオリティを高める方法はあります。 それは「絞り込む」ことです。 ■まとめ 「作れない理由」。 1・プログラムが組めない 2・理想とするゲームの規模が大きい 3・クオリティが出せない 次回は、これらの「解決策」を考えてみます。 合わせて、「ゲームの規模」、「絞り込むこと」についても、考えてみます。 2003/04/02up |
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