宮本茂先生の研究者として、今回の特別レポートはかなり濃いものに仕上がりました。
●任天堂DNAへの渇望
「どうしてやり始めると止まらないのか?
どうして今日プレイできるリミットが来たときに、
明日のプレイがこれほどまでに楽しみになるのだろうか?」
私がスーパーマリオに出会ったのは1985年、中学生のときだった。
ジャンプの楽しさ。
隠された謎を明かす楽しみ。
やりこむほどに興味のつきない展開。
夜になって、「テレビが見たい」と言う親に叱られながらもプレイする。
客観的に自分が見られなくなっていた。
「もう寝ろ!」。
ファミコンの電源を無理矢理切られ、プレイを強制的にやめさせられた。
しぶしぶ布団に入り、目を閉じる。
すると、「あの」赤いキャラクタがまぶたの裏に浮かんでくる。
自然に「どう攻略するか」を頭の中で試行錯誤し出す自分。
はっ! と気づいて思った。
「…ハマってる!!」。
「あの」赤いキャラクタだけではなかった。
剣をふる緑色のキャラクタ、丸まってパイプの中を移動する
黄色いキャラクタ、それらは私の生活を狂わせる。
友人との仲が裂けるほどおかしくなった。
そうして始まったゲーム中毒の時代は、本当に長かった…。
世の中は、中毒の渦だった。
そしてその時代は、甘美でもあった。
ゲームが、その後の仕事を決めた。
決めざるを得なかった。
ゲームに対する興味が、そのしくみを解き明かしたいという
「渇望」に変わったからだ。
希望とか、熱望かという生易しい言葉ではない。
任天堂DNAへの「渇望」だったのだ。
●宮本流ゲームデザインの
黄金パターン
当時、叩いたり撃ったりする単調な繰り返しのゲームが多かったのに対して、
任天堂のゲームは遊びに「深み」がありました。
遊べば遊ぶほど、まるでスルメのように味がしみ出てくるのです。
不思議な感覚でした。
ゲームの底が、なかなか見えないのです。
この「味」はいったいどこからしみ出てきていたのでしょうか?
ひとつ明かすなら、それは「隠されたもの」が仕込まれていることに
ありました。
スーパーマリオで言う、隠し部屋、隠しコインブロック、隠しワープゾーン、
透明ブロックです。
「隠されたもの」がいたるところにあり、プレイヤーはそれを探し、
暴くことに奔走する…。
そして、「隠されたもの」を明らかにしていくに従って、さらに
「隠されたもの」が現れてくる構造!
この構造はすべて計算され尽くしたものであり、この計算を
必ず入れ込むことが、任天堂流ゲームデザインの黄金パターンに
なっています。
任天堂のゲームデザインの根本は、再帰パターン、入れ子構造
パターンに非常に似ています。
これはコンピュータが得意とする処理パターンです。
コンピュータ・ゲームはもちろんコンピュータで作られていますから、
コンピュータの持つ特性を掴んで「レバレッジ」(てこの原理)を
効かせることができれば、「低コストで大きな成果」をもたらすゲームを
作ることができます。
任天堂のゲームは、こうした工夫をあらゆるところで行い、
開発費高騰の原因となっている、大量のグラフィックや大量のイベント投入を
ゲームデザインの時点で抑え、より内容密度を上げていくという
「豊かさ重視」のゲーム開発に向かっているように思います。
ゲームのしくみ研究委員会で今後提供しようとしている
「セコンド・メソッド」は、もとはと言えばこの任天堂流のパターン化
ゲームデザイン手法を源流にしています。
「宮本茂論」は、こういった任天堂流のゲームデザインのディテールを分析し、まとめたものです。
このゲームデザイン手法は、現状の拡大し飽和しきったゲーム業界で、規模が小さくても面白いゲームデザインを可能にし、新たな生き残りの道を模索する手がかりになると思います。
また、ゲーム業界が映画産業のような巨頭群体勢になり、勢い
デジタルエンタテインメントという概念が周辺業界に拡散したとしても、
ゲームデザインが普遍性を拡大させる抽象化を確立させれば、
ゲームモデルとしてだけでなく、ビジネスモデルへと昇華させていくことが
できるでしょう。
ビジネスとは、突き詰めればどれだけ人々に価値を与えられるかという「アイデア」だと思います。
なお、「宮本茂論」では、純粋な宮本先生のゲームデザイン研究だけでなく、
ゲームのしくみ研究委員会で、解釈の拡張、延長、再解釈を積極的に
行い、デザインの派生を深める試みも行っています。
総じて「宮本茂論」では、以下のような知識が得られるでしょう。
●宮本流ゲームデザイン・黄金パターンの詳細が分かる!
●宮本先生の「発明」の本質が分かる!
●「低コストで大きな成果」を出すゲームデザインのしくみが分かる!
●プレイモチベーションの維持の仕方が分かる!
●底の見えないゲームの原理が分かる! ●コンピュータの特性とてこの原理が分かる! |
<購入してくださった方々の声>
#Loppa さん
はじめまして、メルマガの愛読者の一人です。
単刀直入に感想だけ投稿させていただきます
とにかく感動しましたー! ありがとー!
ちょっと高いかなーと思って、今まで購入をためらっていたことを激しく後悔しました
「もっと早く買っとくべきだった!」と。
すっごく役に立ちました。
どれも貴重なレポートなんですが、個人的には「宮本論」と「企画書の書き方」が一番印象に残っています。
一番よかったのは、やっぱり「読みやすくて、わかりやすい」ってことですね。
まさに、中学生でも理解できる文章で明確な答えが示されていたので、一気に読みきってから何度も読み返しました。
次のレポートも期待しています。がんばってください!
OYAJI さん
どのレポートも大変参考にさせていただいておりますが、
特にためになったのが「宮本茂論」です。
現在のゲームからだんだん薄れてきてしまっていた、
「単純なのに面白い」要素が分かりやすく説明され、
目からうろこです。
次回のレポートも是非購入したいと思っております。
縁 さん
印象に残ったレポートは『宮本茂論』ですね。
ゲームクリエイターといったら、宮本さん。
やはり宮本さんはすごい。
レポートは、もう少し図を入れて欲しかったのですが、
文章がすらすら読めて分かりやすく、
とてもためになりました。
是非とも先生の弟子にして下さい。
まんぼう さん
「宮本茂論」興味深く読ませて頂きました。
企画職としてゲーム業界に足を踏み入れたばかりの私にとって、ゲームを
「デザイン」することの重要性を痛感しました。
また、他の特別レポートも読ませて頂きましたが、各々の理論だけではなく、仕事を効率的に進めるためのトピックスが含まれている点は大変参考になりました。
kenz さん
「宮本茂論」良かったです。
最近のゲームは3DCGの美しさは魅力的なのですが、
ストーリーを進めていくだけで、ハマル要素が欠けていると思っていました。
このレポートを読んで、なるほど、と思いました。
ゲーム本来の面白さや、醍醐味は昔も今も変わらないと思いました。
コミネト さん
宮本茂論
非常に実践的な内容で目からうろこが落ちることが多かったですし、また読むことそれ自体がモチベイトされる内容でした
宮本茂氏に関してはほとんど知りませんでしたが、今コンピューターゲームの発展にはこのような人物がいたんだな〜と思うと感慨深いというか、ロマンを感じます
mame さん
「宮本茂論」みたいなアプローチはよいアイデアだと思います。
今後、ネットゲーム論とか、ジャンルや個々の人に
スポットをあてたものをみてみたいです。
あいすはうす さん
単純な「マリオ」や「ゼルダ」の解析ではなく、統括的に分析されているところに好感が持てます。
ヂヌベン さん ゼルダとメトロイドの構造は、大体知っていたとは思うのですが、
マリオをそういう観点からみたことなかったので、それがある
意味新鮮で良かったですね。
マリオは、アクションという観点からしか見たことなかったので。
M.Sさん
根本的な内容は、「GameDesign Tips48」に書かれていることが多いですが、
こちらは、「読み物として楽しめる」感じですね。
他のゲームでも、こういう「ゲームデザインとしてのツボ」的な事が書いてあった
ら、また読んでみたい(買ってみたい)と思いました。
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■宮本茂論
−宮本流ゲームデザイン研究−
<もくじ>
■宮本茂論
●宮本ゲームデザインの根底に流れるもの
▼何をすべきかがわかる、とは?
▼なぜ失敗したかがわかる、とは?
●宮本ゲームのしかけの基礎
●少ないコスト、大きな効果、そして「偉大さ」の定義
■スーパーマリオの方法論
●スーパーマリオブラザーズはこうして生まれた
●感覚のマッチでシンクロ率を高める
●コインを集めよ!
●シリーズが持つ面白さの一貫性
■ゼルダの方法論
●ゲームフィールドのスイッチ
●草刈りという小目的
●爆弾で探せ!
●常にある複数のモチベーション
●素材の「消費」を抑える試み
●マップをコンプリートせよ!
▼スペックとゲーム規模の関係
■メトロイドの方法論
●「操作」を入手せよ!!
●初めからフルスペックでない主人公
●ヒットを連作するための方法論とは?
●ローリスク・ハイリターン
▼コンピュータは情報処理が得意である
▼コンピュータは、繰り返しが得意である
●「失敗」を恐れさせるな!!
■総括
●1・任天堂製品の黄金パターン
●2・隠れたものを探す感覚
●3・常にある「すること」
■付録:コンピュータの特性とレバレッジ
●1・表現能力
●2・手続き処理能力
▼ふりわけ処理
▼大量の情報処理
▼データ管理処理
●3・情報伝達・保存・移動能力
あとがき
宮本茂論 −宮本流ゲームデザイン研究−
メディア:PDF形式
価格:3000円(税込)
(一定数が出たら値上げします)
お支払いはクレジットカード、銀行振込、コンビニ決済に対応しています。
送信されるデータはSSL技術により暗号化されますので、
あなたの個人情報が漏洩することはありません。ご安心ください。
また私はあなたの個人情報を第三者に転売、譲渡などを絶対にせず、
あなたのプライバシーを守ることをここに誓います。
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合計 \5,000 のところ \4,000(\1000オトク!)
プロはどのようにゲームをデザインしているのか? 「GameDesignTips48」は、読めば読むほど
味の出るレポート。開発コストを抑えながらも面白くする方法、一度終わってからまたやりたくなる作り、
インパクトで引き込む方法など、48のコツが凝縮されています。
「宮本茂論」は、任天堂のゲームがなぜああまでも中毒性を持っているのか? マリオ、ゼルダ、
メトロイドなど、中毒性の高いゲームはどういう構造をしているのか? それを暴きます。
合計 \9,000 のところ \7,500(\1,500オトク!)
ゲーム企画者を目指す方へ! ゲームデザイナーセットに加え、実際に現場で使われている
仕様書はどう書かれているのか? どうなれば具体的な指示が出せる内容になるのか?
ゲーム仕様書の書き方を今提供しているのは唯一これだけ。
「ゲーム企画書の書き方」は、ゲーム企画書は全体が繋がっている! ということ、そして
タイトル、サブタイトル、スペックなど、それらにも「面白そう」と思わせる意味がある、それは
どういうことか? そのノウハウを伝えます。
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上記2つの濃密セットに加えて、プログラマ属性のあるデベロッパー気質のあるあなたへ!
プログラムの達人セットは、現役プログラマが「これは知っておけば成長が早かった!」という
知識「コーディング以前に知るべき知識」、これがプログラムを貫く一本軸でこれさえわかれば
迷っても立ち返る場所が分かる「シンプル・プログラミング・スタイル」、最後に達人の心得、
達人になるためのおおもとの考え方を綴った「ゲームプログラマの哲学」の3本セットです。
N2インタラクティヴジャパン(株)は、
東京商工会議所の会員です。 |
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